キャリアフィールドはこのほど、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県・山梨県の1都7県(以降、首都圏エリア)の待機児童数を地図で表した「首都圏エリア待機児童マップ2019年度版」を公開した。

  • 首都圏エリア待機児童マップ2019年度版

    首都圏エリア待機児童マップ2019年度版

「首都圏エリア待機児童マップ2019年度版」とは、首都圏エリアにおいて各都県から発表された2019年4月1日時点の待機児童数を地図に表したもの。2019年度の首都圏エリアの待機児童数は、前年度9,680名であったところ、約30%減の7,086名となった。

東京23区を見ると、杉並区と港区が待機児童ゼロを達成した。同区では2016年度に「すぎなみ保育緊急事態」を宣言して区立施設等を活用した保育所を整備した結果、2018年度には待機児童ゼロを実現。2年連続で待機児童ゼロを達成している。港区は、2017年度に「待機児童緊急対策」として保育定員1,000名の拡大に取り組んだ。待機児童ゼロは、直近30年間で初めてのことであるという。

首都圏エリア全体を見ると、山梨県以外はどの都県も待機児童を抱えており、全体数は減少したものの、2018年度から2019年度にかけて343の自治体のうち33の自治体で待機児童が増加した。

0~5歳の人口(2015年国勢調査の値)に対して待機児童がどれくらいいるかを算出したところ、2019年度の首都圏エリアで待機児童の多い市区町村ワースト第1位となったのが神奈川県葉山町だった。同市は、0~5歳人口が1,421人に対して待機児童数が52名で待機児童率は3.66%となっている。

  • 首都圏エリア待機児童マップ2019年度版(0~5歳人口当たりの率)

    首都圏エリア待機児童マップ2019年度版(0~5歳人口当たりの率)

神奈川県横浜市を見ると、待機児童数は46名で葉山町と僅差となっているが、横浜市の0~5歳人口は18万1,628人で待機児童率は0.03%と低い。葉山町においては、保育所定員数が前年から増えておらず、認可保育所の整備を進めているものの、新規の受け皿確保が追いついていないことが大きな要因と考えられるという。

ワースト第2位は東京都国分寺市(2.25%)、第3位は東京都中央区(2.24%)だった。中央区は待機児童の数でも首都圏エリアで第3位(197人)。中央区は湾岸エリアの開発に伴い、20年間で5歳未満の人口が3倍以上に急増していることから、保育施設の整備が追いついていないことも要因として考えられるとのこと。