例年、日没時刻が早くなる10月は子どもの交通事故が激増する時期。車を運転していて急に子供が飛び出してきてヒヤッとした……そんな経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。本田技研工業は秋の全国交通安全運動に先がけ、子どものための交通安全トートバッグを制作。そのお披露目会に参加し、この10月に親やドライバーが気をつけるべきことを聞いてきた。

  • 子どもの交通事故が激増する10月、親やドライバーが気をつけるべきこと

    なぜ10月は交通事故が増えるのか

まるでおまわりさん!? 「まもってトート」

お披露目会では、子どもたちが交通マナーを楽しく学べるプログラム『Honda交通安全教室「あやとりぃ ひよこ」』が行われ、子どもたちは元気な声をあげながら体験型のプログラムに積極的に参加していた。終了後、今回制作された交通安全トートバッグ「肩にかけるおまわりさん『まもってトート』」が配布され、これを使って横断歩道を渡る練習なども行われた。

  • 子どもたちが交通マナーを楽しく学べるプログラム『Honda交通安全教室「あやとりぃ ひよこ」』の様子

交通安全トートバッグ「肩にかけるおまわりさん『まもってトート』」は、その名の通り警察官の制服を模したトートバックになっており、夜道でも安心な反射材も多用されたデザインとなっている。夜道で遠目に眺めてみると、警察官に見まがうほどの仕上がりになっており、ドライバーがドキッとしてスピードを落として走行してくれるような狙いが込められているのだ。

  • 「肩にかけるおまわりさん『まもってトート』」

  • 反射材が施されているので夜道でもドライバーから見えやすい

親が、ドライバーが10月に気をつけるべきこと

交通安全教室の様子をみていると、参加した子どもたちは横断歩道を渡り方や信号の見方などをきちんと答えられるお利口さんばかりだった。筆者にも5歳の子どもがいるのだが、正直言ってこの子たちのようにしっかりしていない。赤信号でちゃんと止まってくれるかさえ不安だ……。でも、同じような不安感を持っている親御さんたちも多いのではないだろうか。

「子どもが事故に遭わないために親ができることは、"日ごろから模範となる行動を心がけることが大切"です」

そう話すのは、本田技研工業 安全運転普及本部の志村文浩さん。黄信号なのに子どもと一緒に駆け足で横断歩道を渡ってしまった……なんて模範に反する行動をとっていないだろうか? 「常日頃から、子どもに模範的な行動を見せてあげることが重要です」と志村さんは語る。

「また、子どもは一度で学んでくれるわけではありません。『青は進む、赤は止まれ』など何度も繰り返して根気強く教えてあげることも大切です。そういった教えを継続していくことで、道路に急に飛び出して事故に遭ってしまった……という事故を減らすことにも繋がります」

前述したが10月に事故が増える大きな要因のひとつが、"日没時間が早くなった"こと。そのため、夕暮れに近い17時前後に事故が多く起きるのだという。それは、ドライバーの目が暗さに慣れていないことも一因と言われている。

「目が周囲の暗さに慣れるには時間がかかります。夕方に事故が起こりやすいのは、それが要因となっています。15~17時は、ちょうど子どもたちの下校時間にも重なりますので、ドライバーの皆さんは夕方こそ注意しながら運転することが大切です」

近年、高齢者による車の操作間違いによる深刻な事故をよくニュースで見かけるが、ハンドルやアクセル・ブレーキなどの操作を間違うのは決して高齢者だけではないのだという。

「交通事故の多い要因として"操作間違い"が挙げられます。なぜ乗り慣れた車で操作を誤ってしまうのかと言うと、その多くが"慌てたとき"に起こっていることがわかっています。慌ててしまうと、操作間違いや不十分な目視などが起こり思わぬ事故に繋がってしまいます。特に、小さな子どもは車から見えにくかったり思わぬ行動をとったりしますので十分に注意が必要ですが、そこにも配慮が欠けてしまいます。乗り慣れた車、走り慣れた道であっても慌ててしまうと事故が起こる可能性は高まってしまいますので、常に余裕をもって運転に臨むことが大切です」

親としても、ドライバーとしても、子どもの安全を守るために注意が欠かせない10月。常に安全意識を心がけた行動をしていきたい。