いい人、嫌な人、優しい人、厳しい人……当たり前だが、職場にはさまざまなタイプの人間がいる。自分にとって気の合う人だろうがそうでなかろうが、同じ職場で働くからにはそれなりにうまくやっていきたいと、誰もが思うはず。そう、特に"上司"とは。逆らって評価を下げられたり、面倒な仕事を任されたりしては困る。だからこそ、嫌味を言われても説教されても日々耐え忍んでいるというビジネスマンも多いはず。……でも、「これは流石に頭にきた」「イラついた」という言葉もあるに違いない。マイナビニュース会員の会社員300人にアンケートをとってみた。
上司のイラつく言葉、ナンバーワンは……
最初に、職場で一度は聞いたことがあるような上司から言われるとイラつく"鉄板ワード"の中から、どれが一番イラつくか投票してもらった。結果は、以下の通り。
1位「そんなことも知らないの?」(26.1%)
2位「はぁ(ため息)」(24.5%)
3位「言ってる意味わかる?」(20.3%)
このトップスリーに共通しているのは"小バカにしている感"と言えるだろう。また1位と3位については、小バカにしつつ疑問形で返してくるというイラつき度MAXの合わせ技。何と答えたらいいかわからず、ただただ腸を煮えたぎらせた経験をお持ちのビジネスマンも多いに違いない。これから部下にダメ出しや説教をする際には、このような"小バカにしている感"は決して出さないように注意してほしい。
上司からのイライラが止まらない罵詈雑言
さらに、自由回答でも今まで上司に言われてイラっとした言葉をアンケートしてみたのだが、これがひどい。あまりにひどい。これだけハラスメントが口うるさく言われる時代にも関わらず、アンケートには過激な暴言が書き殴られていた。ジャンル別に見ていこう。
能力否定系
・「こんな仕事もできないなら出ていけ」(教えてもらっていないのに)
・「ちゃんと言っただろ! なんでできないんだ!?」(教え方が下手なのに)
・「教えただろっ!」(教えてもらってないのに)
・(何か聞くと毎回)「はぁ? そんなことも知らないの?」
・「おまえは学習能力がない」
・「ふざけてるの?」
・(バカにした声色で)「わかりますか?」
・「そんなこともできないのか」(新入社員なのに)
・(ため息まじりで)「マジか……」
・「新人以下だなぁ」
・「ぜんぜん使えない」
・「ほんと、お前ってダメだな」
見放し系
・「何も仕事しないでくれ」
・「話にならない」
・「気に入らないなら辞めろ」
・「君にはもう用ないから」
・「もういらん! 出て行け!」
・「もういいです」(いつも敬語じゃないのに)
・「明日から来なくていいよ」
独裁系
・「言われたことだけやってればいいんだよ」
・「上司が右を向けば全員が右を向く、黒と言えば黒だから」
・「口ごたえするな」
・「とにかくやっとけ!」
・「俺が上になったらお前を干してやるからな!」
・「忖度しろ」
失敗認めない系
・「お前のミスにしとけ」(自分のミスなのに)
・(社長の前で)「それはコイツの責任です」
・(絶対に渡した書類を)「もらってない」
・「〇〇って言っただろ!」(昨日は違うこと言ってた)
・「全部、君の責任だから」
・(自分の指示したことが失敗すると)「お前のやり方が悪い」
・(何でも事前に聞けと言うくせに)「そんなこと聞くな」
・「なんでこんなことやったんだ」(やれって言われたのに)
嫌味系
・(先に帰ろうとすると)「いいよね~~」
・「あなたにはずーっとここで頑張ってもらうから」
・「ま、お前でも管理職にはなれるよ」
・「いつになったら一人前になってくれるのかな~」
・(北海道出身と言ったら)「だから仕事ものんびりなんだ」
比較系
・「おれがお前の歳の頃は~」
・「お前、前にも〇〇だったろ!」(何回も昔の失敗を掘り返す)
・「同期の〇〇とは大違いだよ」
・「前任者はもっと〇〇だったのになぁ」
リアクション系
・「チッ」(舌打ち)
・「はぁ~~~」(長いため息)
・「あ~~」(がっかりしたリアクション付き)
・(声をかけても)「……(無視)」
呼び方系
・「下等生物か」
・「お前」
・「〇〇!」(名前呼び捨て)
・「豚!」
・「おい、バカ」
・(赤字を出すと)「この盗人が」
・「給料泥棒だな」
若者いびり系
・「今さ、何考えてるの?」
・「近頃の若いもんは……」
・「おまえは気合と根性が足りない」
・「社会人なら、これ当たり前だから」
・「これだからゆとりは」
今、求められている"上司像"は?
ここまで上司に言われたイラっとする言葉の数々を紹介してきたが、逆に世のビジネスマンたちはどのような上司を求めているのだろうか? アンケート結果はこちら。
「普段からどっしり構え、いざという時に自ら問題解決できる頼れる上司」
「判断力、包容力、上層部へ媚びない」
「個人個性に寛容、仕事に厳しい」
「人望があり、統率力がある」
「任せてくれ、しっかり評価してくれる上司」
「前言撤回しない」
「頑固でも心温かい人」
「叱り、褒めるメリハリがあること」
「親身になって聞いてくれる。精神科医のような上司」
「思いやりの心がある人です」
「上司が部下を必ず助けるという気概を持っている人」
というのが、多い意見であった。この結果からわかるのは"部下に思いやりの心をもった人物"が求められているということ。部下に責任を押し付けたり、理不尽に説教したりする人ではなく、日ごろから思いやりを持って接してくれる上司のもとで働きたいという気持ちが伝わってきた結果といえるだろう。