シャープは10月8日、プラズマクラスターエアコンのフラッグシップモデル「L-Xシリーズ」を発表、10月25日に発売します。新製品の大きな特徴は、AIによる運転制御の進化。より快適な睡眠空調をつくりだす「睡眠制御」と、気象予報と連携して省エネ運転する「日中制御」がポイントです。
シャープのプラズマクラスターエアコンといえば、AIoT(※)「COCORO AIR」の導入による「賢い運転」で人気です。従来モデルでは、ユーザーがリモコンで設定温度を変更するタイミングを学習し、運転温度を自動的に制御したり、起床時間や帰宅時間を学習して家族が部屋にいる時間までに部屋を快適温度にする機能が好評。また、家族が出かける時間を学習して、外気温との温度差を小さくするといった、さまざまな快適運転の制御も可能でした。新モデルとなるL-Xシリーズでは、さらに「睡眠制御」と「日中制御」が加わっています。
※AIoT:人工知能である「AI」と、家電をインターネットに接続する「IoT」を組み合わせたシャープの造語
睡眠中のエアコンに対する不満は「光熱費」と「温度」
シャープによれば、睡眠中に冷房を使用するユーザーの約75%は朝までエアコンを運転し、さらに9割は温度設定などを変更しないそうです。一方、寝室の空調に不満を感じているユーザーは半数以上で、不満点の第1位は「光熱費がかかる」こと、次点が「温度が安定しない」「冷えすぎる」こと。
そこでL-Xシリーズは、睡眠改善プログラムなどに強いニューロテック社の監修のもと、睡眠に特化した制御運転を導入。ニューロテックによると、人間は睡眠時に深部体温が下がり、起床時は体感温度を低く感じやすいといいます。
新しい機能のひとつ「おやすみAI」は、就寝時間になると部屋が設定温度になり、ゆっくりと部屋の温度を下げて(約1度)、深い睡眠が得られやすい環境にします。その後、起床時間までに徐々に部屋の温度を上げて、起床時には設定温度より約1度、高い温度にします。「明け方に寒く感じて起きる」問題を解消しました。シャープの調査では、この「おやすみAI」制御をした空間では、夜中に起きてしまう中途覚醒の回数が約13%減ったということです。
天気予報を活用した日中制御で約15%の省エネ運転
日中のAI運転制御では、天気予報を活用した運転が可能に。たとえば、冬に暖房を使う場合、一般的な温度センサー搭載のエアコンは明け方の寒い時間はパワフルに暖房運転し、部屋に日差しが入って気温が上がる昼は運転を弱めるといった制御をします。
この運転方法だと、部屋の温度が上がってから運転を弱めるまでにタイムラグがあり、一時的とはいえ「部屋は暖かいのに強力に暖房運転をしている」という無駄な運転が発生します。そこで、L-Xシリーズは天気予報と連動することで、部屋の温度変化を予測。先回り制御することで、無駄な運転を発生させません。シャープによると、標準的な暖房の使い方をした場合、AI制御がない運転と比較して約15%の省エネになったそうです。
余談ですが、2.8kWクラスのエアコンで比較すると、2000年前後は5年間で約17%という大きな省エネ向上率がありました。これが2012年から2017年までの5年間では、約3%の向上にとどまります(※)。そんな状況のなか、運転制御によって約15%もの省エネが可能というのは、なかなかの注目ポイントです。
※出典:日本冷凍空調工業会「エアコンの日」パンフレット資料より
プラズマクラスター、清潔性、気流制御も
今回の発表会では、AIによる新しい制御についての説明が注目されていましたが、AI制御以外にも注目ポイントが多くあります。
たとえば、L-Xシリーズはプラズマクラスター発生ユニットに「プラズマクラスターNEXT」を搭載。プラズマクラスターは除菌や除臭、アレル物質の無効化といった効果がありますが、プラズマクラスターNEXTは、これまでのプラズマクラスター発生ユニットよりも、より濃度の高いプラズマクラスターを発生させられます。
最近のフラッグシップエアコンは清潔性の高い製品が多いですが、X-Lシリーズも清潔性にこだわっています。エアコン停止中は、温度と湿度が一定以上になるとファンを逆回転させて、プラズマイオンをエアコン内部に送るプラズマクラスターパトロール機能を搭載(エアコン内部を清潔に)。
また、冷房や除湿時に発生する「ドレン水」を利用して、掃除が難しい室内機の熱交換器を水洗いするのが一般的になってきました(おもに各社の上位モデル)。L-Xシリーズは、この熱交換器に親水性のコーティングを施すことで、汚れを水で落としやすいようになっています。
このほか、気流のコントロールには、パネル全体で風をコントロールするロングパネルを採用。長くて大きなパネルを使うことで、冷房時には冷風を上に持ち上げ、暖房時には温風を足下に向けて押さえ込みます。