10月18日公開の映画『楽園』の公開記念イベントが8日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿本店で行われ、綾野剛、佐藤浩市、原作の吉田修一、瀬々敬久監督が出席した。
国内外で多数の映画賞を受賞した『悪人』(2010年公開)や『怒り』(2016年公開)などの映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の「犯罪小説集」を、『64 -ロクヨン-』(2016年公開)の瀬々敬久監督が映画化した映画『楽園』。青田に囲まれたY字路で2つの事件を発生し、容疑者の青年・中村豪士(綾野剛)、傷ついた少女・湯川紡(杉咲花)、追い込まれる男・田中善次郎(佐藤浩市)の運命が繋がる時、物語は衝撃のラストへと導かれる。
公開まで残り10日となったこの日は、新宿の紀伊國屋書店新宿本店をジャックしてイベントを開催。書店とのコラボイベントに綾野は「とてもうれしいですね。映画と書店さんが連動して盛り上げていくのは本当に良いことだと思います。こういう形でどんどん盛り上げていきたいですね」と笑顔を見せ、佐藤も「こういう書店でのイベントは僕自身初めてです。日本映画界も大変な時期がありましたが、書籍の方も大変な時代。お互い力を寄せ合って一つのものになればいいなと思います」と相乗効果に期待を寄せた。
イベントが行われた新宿についても言及。綾野が「僕は『新宿スワン』の撮影中、通行者に髪の毛を掴まれた記憶しかありません。なかなか激しい街だと思います」と苦笑いを浮かべ、佐藤も「夜の歌舞伎町で撮影すると色々と大変なんですよ。ここではお話できないエピソードがたくさんあります。そっちの方が印象深いかな(笑)」と新宿に対してあまり良い印象はなさそうだった。
同作は、第76回ヴェネチア国際映画祭で正式出品作品として上映、さらには先日行われた第24回釜山国際映画祭でも上映され、釜山で行われたレッドカーペットイベントには杉咲花、瀬々監督とともに綾野剛も出席した。綾野は「パワーに圧倒されましたね。レッドカーペットも長くて、2万人ものファンがいらしゃったんです。ものすごく広い空間でやったんですけど、とても興奮しましたし映画は国境を越えるんだなと実感しました。僕たちのことを分からない人も全力で拍手していて、その姿に感激しました」と振り返った。
綾野らとともに出席した瀬々監督も「日韓は政治的に問題を抱えている状況ですが、来てくれたお客さんは若い女性の方が多くて印象的でした。映画をすごく温かく迎えてくれて、映画は国境を越えると思いましたし、映画で手と手を結びつけると革新できました。映画って素晴らしいなと思い直しました」と話していた。映画『楽園』は、10月18日より全国公開。