10月4日、ダンスボーカルユニットw-inds.がライブツアー「w-inds. LIVE TOUR 2019 “Future/Past”」のツアーファイナルを東京・国際フォーラムで迎えた。

  • w-inds.

w-inds.はデビュー19年目を迎えるダンスボーカルユニット。2017年からは橘慶太によるセルフプロデュースが本格化し、作詞・作曲・編曲からトラックダウンやミックス作業までも手掛けているほか、海外音楽シーンの最先端なサウンドを積極的に取り入れたり、音楽のサブスクリプションサービスにもいち早く楽曲提供も行うなど、先進的な取り組みにも積極的に挑戦。オリジナリティと高い音楽性を追求する音楽スタイルは、近年コアな音楽リスナーからも大きな注目を集めており、新作が発表される度に話題となっている。

今回のツアーはアルバムを引っさげたライブではなく、結成19年目を迎えたw-inds.の過去と未来をテーマにし、最新シングルから初期の代表曲など彼らの歴史と幅広い音楽性を味わえるセットリストで構成。

また大がかりな演出やセットは無いものの、これまで磨き上げられてきた完璧で美しいダンスパフォーマンスや、ヴォーカルとバンドの生演奏がぶつかる事で生まれるグルーヴ感や熱量で作り上げらるステージは、広い会場と5,000人の観客を隅から隅まで包み込んでしまうほどの存在感と世界観を持っており、多くの観客を余すところなく魅了し、熱狂させた。

1曲目は7月に発売されたばかりの新曲で、これまでのw-inds.にはなかった重低音やラップが印象的な“攻めるダンストラック”曲「Get Down」を皮切りに、「We Don't Need To Talk Anymore」「Let's get it on」などフューチャーサウンドを感じさせる楽曲や、コンテンポラリーさのあるアーバンポップな楽曲など、海外のシーンを積極的に取り入れたセットリストでスタート。ここにこれまでのキャリアで磨き上げられてきたダンスパフォーマンスも加り、一切の隙のない芸術的と言っても良いほどの完璧なダンスボーカルステージが披露される。

続けて「タイムマシーンに乗って旅に出よう」という呼びかけで、久々にライブツアーでは披露された「タイムマシーン」からスタートし「Break Down, Build Up」「Perfect day」など初期ヒット曲を含むJ-pop色の強いサウンド曲を聴かせたかと思えば一転、黒いジャケットと帽子を身にまとい「Make you mine」「Sweetest love」など洒落たレトロモダンなソウル・ファンクの楽曲を中心に、鮮やかで艶のあるダンスと共に、煌びやかな大人のエンターテイメントショーステージが披露され、観客を魅了し、酔わせる。

一転ストリートカジュアル系の衣装を身にまとって登場すると「SUPER LOVER〜I need you tonight」「Feel The Fate」などw-inds.初期のヒット曲を中心としたセットリストへ。ここでは3人の素の様子も垣間見え、楽しそうにバンドメンバーのそばで鳴らされる音を楽しむ姿や、時にはじゃれ合う様子も見せ、涼平や龍一のパートで膝をついて応援するファンのような仕草をするおちゃめな慶太の姿も見られた。またそうした様子を見て、楽しそうにしている観客の姿を時折眺めては、本当に嬉しそうに笑顔になるメンバーの様子も多々垣間見え、このセッションでは、w-inds.はもちろん、バンドメンバーや観客など互いが互いに高め合うような“相思相愛”という言葉がぴったりな、幸せな一体感が会場を包みこんだひと時となった。

その後「Dirty Talk」など大人向けなダンスナンバーが続き、「STEREO」を歌い終えると「バイバイ」とさらりと一言残し、ステージを後にした3人。

客席からはアンコールが即座に起こり、それに応えたメンバーが再び登場。アンコール曲に選ばれたのは「Forever Memories」。途中メンバーに促されて観客も歌いだすが、一斉に美しい大合唱が会場に響きだし、驚いた表情を見せながらも、感慨深そうに客席をくまなく見渡すメンバーたち。再び大きな一体感が会場を包み込んだ。 そして「More than words」と続き、感動が最高潮に達したところで、この日のライブは幕を閉じた。

またMCにも定評がある3人。素の様子でほんわかしたトークを展開し、時に慶太が冷静にツッコミなどを入れながらも進行し、常に笑いが絶えない。なお現在行われているラグビーワールドカップの話の中で、もう曲を作らないと慶太が冗談で拗ねる場面が見られたが、「そんな事言ったら、俺が変な曲作るぞ~」と龍一がラグビーの歌を即興で披露。これにバンドメンバーも悪ノリしてBGMを付け出すなどし、会場にはこれまで以上に大きな笑いが起こっていた。そしてこの日はツアー最終日という事もあり、サプライズで後輩グループのLeadもステージに登場し、メンバーに花束を渡しに来る場面も。

また、これから20周年を迎える事にも触れつつ、過去を振り返り「皆さんの応援があって、大変な時もあったし、思春期で喧嘩したり、いろんな方に迷惑をかけたこともあったかも」と笑いながら語り合いつつ、「いろんな方のおかげでここまでこられた。本当に、本当にありがとうございます。w-inds.は奇跡のグループかな、なんて」と照れながら口にすると、その瞬間、会場から拍手が起こり、しばらく鳴りやまない場面もあった。そして「20周年も近いので、色々な事にチャレンジしながら20周年を過ごすことができたら嬉しい。良い仕事をして頑張っていきたい」と今後についての抱負を口にした。

なおこの日は、来年1月からファンクラブ ライブツアー「w-inds. FAN CLUB TOUR 2020 EDW-electro dance w-inds.-」が実施される事も発表された。このライブでは近年ダンスミュージックのレパートリーが増えてきた事もあり、クラブトラックを集め、全国のZeppを中心としたライブハウスで“ダンスクラブ”を意識したライブを行う事が告知されると、客席からは大きな歓声が上がり、次のライブへの期待感をあらわにしていた。

セットリスト

1: Get Down
2: Let's get it on
3:FLY HIGH
4: Superstar
5: We Don't Need To Talk Anymore
6: Feeling U
7: タイムマシーン
8: Break Down,Build Up
9: Perfect Day
10: Make you mine
11: Drive-Me-Crazy
12: NEVER MIND
13: Sweetest love
14: キレイだ
15: Feel The Fate
16: Paradox
17: SUPER LOVER ~I need you tonight~
18: Boom Word Up
19: No matter where you are
20: Dirty Talk
21: STEREO
EN1: Forever Memories
EN2:More than words