サッポロビールは9月26日、サッポロファクトリー・アトリウムで「ほっとけないどう〜第5回ほっとけないAWARD」を開催した。
「ほっとけないどう」は、北海道を舞台に、新たなプロジェクトにチャレンジしたい「挑戦者」とその活動を支援したい「応援者」をつなぐコミュニティづくりを目指したプロジェクトで、今年6月に始動。「ほっとけないAWARD」は、挑戦者が取り組みたいプロジェクトをプレゼンテーションするイベントだ。
「ほっとけない挑戦」をカンパイでサポート
応援者はプレゼンテーションを聞き、その内容についてアイデアをブレストし、ビールやソフトドリンクを飲んで応援する「カンパイファンディング」により、支払額の半額が支援したいプロジェクトへ資金協力される。
熱いプレゼンテーションを繰り広げた挑戦者たち
最初に登壇した幌延町出身のドローングラファ(空撮作家)伊藤広大さんは、日本最大のドローンの展示会「Japan Drone 2018」で、北海道をテーマにした「NORTHENMOST-travel around Hokkaido, Japan」でグランプリを受賞するなど、国内外で高い評価を得ている。
伊藤さんは「北海道の景観は、一部の地域を除き、まだ世界中の人々に認知されていない。一方で、世界の人々の感情を揺り動かすエモーショナルな魅力を備えている。ドローンによる空撮は、北海道のポテンシャルを存分に引き出せるものだと思います」と提言。
空撮を通じて、さまざまな地域や産業に携わる人たちとの輪を広げていきたいと訴えた
次に登壇した川口洋史さんは、「魚食系男子project」を運営する北見市常呂町在住の漁師。中学生の頃に「地元の魚をブランド化したい」と思い立ち、料理教室や食育教室、地元の食材を使った入院食の提案など、魚食を普及する草の根的活動を推進。
さらに今年7月、若手の漁師と一緒にマスコスモ合同会社を立ち上げ、3Dフレーザーを導入してサーモンやホッケなど刺身では食べられない魚種の生食を可能にした。
「鮮魚の直販などを通じて儲けたお金は、できるだけ地域のために再投資していきたい。事業を通じて、地域や社会にとって必要なことを実現していきます」と川口さんは抱負を語った。
3番目の登壇者は、旭川市出身のお笑い芸人・とにかく明るい安村さん。「安心してください。穿いてますよ」のネタとともに元気に登場した。この日のテーマは「179市町村で開催! 北海道で働く外国人の皆さんを元気に! プロジェクト」。
全国で外国人労働者の過酷な労働環境が問題視されているという報道を耳にすることが多くなり、日本語や日本独特の慣習など、さまざまなハードルを乗り越えている皆さんに何かできることはないか? と思い立ったそうだ。
「外国人労働者の方々を自分のネタで笑顔にしたい。しかも、彼らの母国の言葉でお笑いライブをやりたい。資金は言語を学び、179市町村を回るために使いたい」と話す安村さんは、とにかく明るい北海道を目指している。
挑戦者と応援者が話し合うアイデアブレスト
プレゼンの後はアイデアブレストタイム。3つのグループに分かれ、登壇者とともにプロジェクトの課題についてアイデアを出し合った。
「(1)ドローン空撮×北海道のさらなる可能性について (2)活動の結果生まれる成果物を有効活用する方法」 (伊藤さん)
「皆さんが幸せに暮らすためにあったらいいなと思うものは何ですか?」 (川口さん)
「北海道に暮らす中で外国人と接して感じることを教えてください!」(とにかく明るい安村さん)
とそれぞれの課題を提示。各グループでさまざまなアイデアが飛び交い、会場は盛り上がった。
ブレスト後の感想は以下のとおり。
「どういうところに良い景観があるのか、学校へ行って探す、WEBで投票サイトを設けるなどアイデアが出ました。地方のいろんな方のお話を聞くためにアクションを起こしていきたい」(伊藤さん)
「皆さん、おいしいものを食べることは幸せだという共通認識を持っていて、質の良い魚を都市圏などにどんどん流通させていく必要があると感じました」(川口さん)
「とにかく言葉を覚えなければ、死ぬまでに世界中の言葉を覚えて……とにかくやります!」(とにかく明るい安村さん)
フィナーレは、3人の登壇者がステージに上がり、会場の皆さんと乾杯! 北海道を舞台にした新たな挑戦に熱いエールが送られた。