小田急電鉄は7日から、同社の開発するオープンな共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したMaaSアプリ「EMot(エモット)」のサービス提供と実証実験を開始した。
「EMot」はサービス開始時点で、複合経路検索と電子チケット発行の機能を有する。複合経路検索では鉄道・バスに加え、タクシーやシェアサイクルなどを組み合わせた経路検索ができるほか、経路検索結果から連携しているアプリ・サイトへ遷移してモビリティの予約と決済が可能となる。電子チケットの発行では、箱根フリーパスをはじめとした企画券や飲食チケットが購入できるほか、ショッピングなどに応じて無料でモビリティが利用できる特典チケットを発行する。
これら2つの機能に独自サービスを加えた場合の有効性を検証するため、「観光型MaaS」「郊外型MaaS」「MaaS×生活サービス」の3つについて実証実験を行う。「観光型MaaS」の実証実験では、アプリ内のチケットストアで購入できる「箱根フリーパス」を発売。利用の際はスマートフォンの画面を提示するだけでよく、現在地とフリーパスの割引優待施設を合わせて表示することもできる。
「郊外型MaaS」の実証実験では、小田急線新百合ヶ丘駅を中心としたエリアで、自家用車から公共交通機関へのシフトを推進。施策の第1弾として、駅前にある小田急の商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で一定金額以上を買い物した人に、新百合ヶ丘駅から自宅最寄のバス停までのバス無料乗車チケットを発行する。
「MaaS×生活サービス」の実証実験では、小田急線新宿駅・新百合ヶ丘駅を利用する人に新たなライフスタイルを提案。アプリ内のチケットストアで電子チケットを購入すると、両駅構内にある「おだむすび」「箱根そば」「HOKUO」のいずれかの店舗で1日1回利用できるサービスチケットを定額で販売する。