米Appleは10月7日 (現地時間)、macOSのメジャーアップデート「macOS Catalina」の提供を開始した。Mac用のiTunesが終了。新たに「ミュージック」「TV」「Podcast」の3つのアプリがMac用のエンターテインメントを担い、またサブスクリプション形式のゲームサービス「Apple Arcade」に対応するなど、Apple提供のサービスとの連携が向上する。他にも、iPad版からのアプリの移植、iPadの活用、スクリーンタイムの追加、プライバシー/セキュリティの強化など、Macの利用スタイルを変えるようなアップデートになっている。
macOS Catalinaに対応するMacは以下の通り:
- MacBook (2015以降)
- MacBook Air (2012以降)
- MacBook Pro (2012以降)
- iMac (2012以降)
- iMac Pro (全モデル)
- Mac Pro (2013以降)
- Mac mini (2012以降)
左上のAppleメニューから「このMacについて」を選択し、「ソフトウェア・アップデート...」をクリックしてアップグレード可能であるかどうかを確認できる。対応機種でEl Capitan (10.11)以降であればCatalinaにアップグレードできるが、Mountain Lion (10.8)やLion (10.7)で動作している場合はまずEl Capitan (10.11)にアップグレードする必要がある。
主な新機能を見ていくと、長年の機能追加で分かりづらく重くなっていたiTunesを廃止し、音楽を「ミュージック」、映画/TV番組/ビデオを「TV」、ポッドキャストを「Podcast」の3つのアプリに分割した。これらはiOS版と共通のデザインにまとめられており、MacでもiOS版と同じ感覚でエンターテインメントを楽しめる。iOSデバイスのバックアップ機能はFinderに統合された。
「Apple Arcade」は、100種類以上のゲームを月額600円 (税別)で自由に遊べるサブスプリプション型のゲームサービスだ。9月20日にiOS 13を搭載したiPhoneからサービス提供がスタートし、iPadOSのiPadに拡大、そしてmacOS CatalinaでMacでも利用できるようになった。Macでのゲームプレイにはキーボード、トラックパッド、マウスを利用でき、またゲームの多くはCatalinaがサポートするBluetooth対応Xboxワイヤレスコントローラー、PlayStation DUALSHOCK 4といったコントローラーに対応している。
Project Catalystによって、サードパーティのアプリ開発者がiPadアプリをMacに移植できるようになった。Twitter、TripIt、Post-It、GoodNotes、JiraなどがCatalystを用いてMac用アプリの提供に乗り出しており、iPadで使えるアプリのMac版が今後続々と登場すると期待できる。
また「Sidecar」を使って、対応するiPadをケーブル/ワイヤレス接続してサブディスプレイや液晶タブレットのように利用することが可能。Adobe Illustrator、Photoshop、Affinity Photo、Cinema 4D、Maya、ZBrushなどがSidecarに対応、利用できるアプリが拡大している。
スクリーンタイムは、iOS 12でiOSに追加された利用管理機能だ。Macや各アプリを使用している時間を把握、休止時間を設定したり、アプリやWebの利用に制限を設けることで、作業に集中し、健康的にMacを利用できるようにする。
プライバシー/セキュリティでは、Apple T2 Securityチップを搭載したMacがアクティベーションロックに対応。「探す」アプリや「Apple Watchで承認」を追加。ネットからダウンロードしたアプリからMacを保護するGatekeeperが強化された。
他にも、アクセシビリティの音声コントロールが進化、写真、メモ、リマインダー、Safari、メール、ホームといった数多くのアプリで新機能追加や機能強化が行われている。