今やさまざまなシーンで資金調達のツールとして活用されている「クラウドファンディング」。この波が、いよいよ番組制作にまで押し寄せてきた。
11月に開局する「F@nTV」は、クラウドファンディングを利用したオリジナル番組を配信するインターネットテレビ局。このほど、クラウドファンディングを実施する企画をプレゼンする事前番組『F@nF@n編成かいぎ』の収録が行われ、バラエティに飛んだアイデアが次々に飛び出した。
これを見守るのは、“局長”の玉袋筋太郎(浅草キッド)と、“部長”の平子祐希(アルコ&ピース)。玉袋の決裁を通った企画は、日本最大手のクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」に掲載され、目標金額に達し次第、制作に取り掛かるという仕組みだ。
最新のシステムを使いながら、「プレゼンの熱に暑くなって、秘書役の女性が服を脱いでいく…」という古き良きバラエティ演出で見せる番組収録の合間に、玉袋と平子に話を聞いた――。
■テレビの原風景を見た
――今回のプレゼンで印象に残っている企画はなんでしょうか?
玉袋:マシンガンズの滝沢(秀一)くんのゴミ問題の番組はいいんじゃないかと思ったね。あとボードゲームの話もいい。ジジイが墓を買う番組は、死んでいく姿を見るドキュメントになるかもしれないから、『ザ・ノンフィクション』に持ってかれちゃうよ? どれも社会性があるよね。
平子:僕もちょっとちょけた番組になると思ってたら意外とキッチリしてましたよね。ゴミ問題なんて、ここにお金が集まらないような国じゃダメだなって思いましたよ。
玉袋:下手すると本当に企業がお金を出してくると思うよ。あれに出資しない企業は足元見られちゃうからね。可能性があるよね。
――それにしても、おねーちゃんが服を脱いでいく番組なんて久しぶりですよね(笑)
玉袋:最近の地上波だとこういうのがないから残念ですけど、テレビの原風景っていうんですかね。里山の風景を見られたという感じがしますよね。
平子:僕はそういうのを見て育ってきて、実際に芸能界に入ったらちょうどなくなっていた世代なので、ようやくあの頃の夢がかなったという感じですね。
――「プレゼンに熱を感じた秘書が服を脱いでいく」というシステムと、真面目な社会性のあるプレゼンという激しいギャップがすてきだと思いました。
平子:でも、昔『EXテレビ』とかでもそういう企画ありましたからね。
玉袋:硬軟混じって展開される番組なんですよ。
■黄色いTシャツでサライを歌う!?
――お2人がクラウドファンディングをやるとすると、どんなプレゼンをしますか?
玉袋:俺は全日本スナック連盟をやってるから、やっぱりスナック発展のためにクラウドファンディングでもっともっとお店を増やしたいな。今4店舗やってるんだけど、ライバルは富士そばだと思ってるから。
――すごい数ですね(笑)
玉袋:駅前に1つ、確実に「スナックたまちゃん」を作るって心づもりでやってますから。リターン(見返り)はボトルキープで!
平子:僕は嫁と仲が良くて、それに伴ってセックスレスの夫婦から相談を持ちかけられることが少なくないんです。今、結構深刻な問題になっているので、イタリアやスペインに視察旅行に行って、男女間・夫婦間でもっと情熱を持って接しあっていくための問題解決の糸口を探りたいですね。リターンは…営みに対するレクチャーで。お互いの粘膜に口をつけてるっていうのは、本当に大事なことなんですよ。お互いの細菌めいたものが許せるかっていうのが、1つの指針らしいですから。
――最近はキスもできない人がいるって言いますからね。
玉袋:うん。それはヘンリー塚本(セクシー映画監督)に怒ってほしいよ。
――クラウドファンディングで番組を作るという試みついてはどう思いますか?
玉袋:俺も本を出すのにクラウドファンディングをやったことあるんだよね。クラウドファンディングは本当にいろんなのがあって、セガの『シェンムー』が3部作なのに2作で終わっちゃうっていう時に、世界中のゲームマニアがクラウドファンディングでお金集めて第3弾が発売されるっていう、ゲーマーにとって夢のようなものもあったりするんで、何かここの番組からそういった面白いものが出ればいいなと思いますね。でも、まだ日本では「お金持ってかれちゃうんじゃないか」って怖がられてる部分があるからなあ。
平子:この番組が、モデルケースになればいいなとおもいますね。
――では、今後の番組への期待をお願いします。
玉袋:やっぱり本当に自分がお金を出したくなる「乗った!」っていうプレゼンが来るのが一番理想かな。日本人は投資より溜め込む気質だから、お金を出していくほうが健全な世の中になってほしい感じがするな。投資っていうより、熱い思いに対する寄付だからね。俺たちも次回から黄色いTシャツ着て、最後に「サライ」歌う可能性あるよ。
平子:そうですよ! それくらい大きな規模になっていかないと。