クラウドキャストは10月4日、国内初となる経費精算サービス一体型法人プリペイドカード「Stapleカード」を発表した。日本国内外のVisa加盟店にて利用できる。これまで企業では、交通費、交際費などは社員が建て替え、後に個々に精算処理をしていた。Stapleカードではリアルタイムチャージにより、このような社員の負担を減らすことができる。11月15日より申し込みを受付開始する。

  • クラウドキャストがStapleカードを発表。Kyashが運営をサポートする

    クラウドキャストがStapleカードを発表。Kyashが運営をサポートする

Stapleカードの特徴

Stapleカードは、経費精算サービス付きの法人プリペイドカード。登壇したクラウドキャストの星川高志代表取締役は「同様のサービスは、いま欧米で急拡大しており、今後、日本国内でも成長が見込まれています」と説明した。利用シーンは幅広く、交通費、会議費、交際費、出張時のチケット購入費や宿泊費、インターネットでの支払いなどに利用できる。社員が一定額をチャージ申請し、経理担当者によってそれが承認されると、即座にオンラインでチャージされる仕組みだ。

  • 会場に展示されていた、プラスチック製のStapleカード(サンプル見本)

    会場に展示されていた、プラスチック製のStapleカード(サンプル見本)

月額料金は1ユーザーあたり600円(税別 以下同)、チャージ手数料は無料、チャージ上限額は無制限、支払い上限額は200万円(1回の支払いあたり)。専用口座に銀行払い(前払い)して使うため、コーポレートカードのような与信審査がなく、手軽に全従業員に配布できる。星川氏は、初年度で10万枚の発行を目指すと宣言した。

  • 利用の流れ。通常のクレジットカードのような使い勝手を実現する。使用履歴がリアルタイムで把握できるほか、遠隔から利用制限をかけることも可能

    利用の流れ。通常のクレジットカードのような使い勝手を実現する。使用履歴がリアルタイムで把握できるほか、遠隔から利用制限をかけることも可能

サービスをサポートするのは、決済プラットフォームの運営実績のあるKyash。Stapleカードの展開に際しては、Visaカードの発行と決済プロセシング技術を提供する。Kyashの鷹取真一氏は「従業員による建て替えの負担を軽減するだけでなく、企業から従業員への銀行振り込みなど、経費精算にかかる手間や振込手数料を大幅に削減します。業務の効率化、生産性の向上を図ることで、働き方改革を実現します」と説明する。

  • クラウドキャスト代表取締役社長の星川高志氏(左)と、Kyash代表取締役CEOの鷹取真一氏

    クラウドキャスト代表取締役社長の星川高志氏(左)と、Kyash代表取締役CEOの鷹取真一氏

NFC搭載スマートフォンで交通系ICカードにタッチして読み取った移動履歴などの情報を精算データとして使えたり、タクシーや接待費で利用した紙のレシートをカメラで撮影したものをデジタル化して経費申請できたりなど、実用性の高いサービスも複数用意している。

  • 今後、様々な資産を支払い原資にしていく

    今後、様々な資産を支払い原資にしていく

鷹取氏は将来的な展望として、一部は日本の法律の改正を待つものもあるとしつつ「売上金、銀行口座、ポイント、仮想通貨、給与・報酬、支援金、保険・証券など、様々な資産を支払い原資にしていきたい」と話す。

ひとつの例として、以下のような話をした。「クレジットカード決済できる端末を入れている店舗があるとします。そこで100万円の売り上げがあった。カードで支払われたため、店舗に入金されるのは2週間くらい後。でも、Stapleカードの仕組みを利用すれば、その100万円をすぐに使えるようになります」。こうした利用方法は、すでにアメリカでは広がっているという。