生後まもない生まれたての赤ちゃんの記念撮影「ニューボーンフォト」が人気だ。ご存知ない読者の皆さんは、FacebookやInstagramなどのSNSで、アーティスティックな生まれたばかりの赤ちゃんの写真を見かけたことはないだろうか? その写真をイメージいただくとニューボーンフォトがどんなものかが、わかると思う。聞いたこともないというかたは、ぜひ本稿を一読いただきたい。
ニューボーンフォトとは、厳密にいうと生後28日間の生まれたばかりの新生児の姿を被写体にした写真のこと。おくるみに包まれ眠る姿、ぬいぐるみを抱えている姿、バスケットをベットに寝そべる姿など、様々なポーズや構図、衣装や小道具で新生児を撮影する――。神秘的でかわいい新生児期の姿を残したいと、昨今多くのパパママたちのトレンドになっている。
出張撮影サービス「fotowa」を展開するピクスタでは、「ニューボーンフォト」の出張サービスを展開しており、撮影のスキルはもちろん赤ちゃんの扱いに慣れた経験豊かなフォトグラファーを紹介している。今回fotowaで人気のフォトグラファーに話を聞いてみた。
フォトグラファーわたなべうにさんに聞く
今回話を聞いたのは、数多くの「ニューボーンフォト」を手がける、わたなべうにさん。大学の幼児教育科を卒業し、デジタルカメラ/ビデオカメラなどの映像機器を数多く提供している大手企業に勤務。その後フォトグラファーに転身し、キャリアを重ね、現在ではニューボーンフォトを中心に活動し、これまで1100以上の撮影をこなしている。
大手企業を退社後、前述の通り幼児教育を学んでいたこともあり、キッズフォトの道を歩むことを決意。ハウススタジオで子どもの写真撮影していたうにさん。そのキャリアの中で、病院で新生児を撮影する「ニューボーンフォト」を依頼されたことがきっかけで、本格的に撮影を始めたという。
「ニューボーンフォトは、新⽣児を取り扱います。⽣まれたばかりの⾚ちゃんはそれぞれ個性があるので、手足の可動域や安心する姿勢などを見極め、室温などの外的ストレスにも配慮しながら撮影することが大切」とうにさんは語る。
撮影の技術だけではやっていけない仕事。とにかく安全安⼼が第⼀で、細⼼の注意を図り、撮影する⾚ちゃんはもちろん親御さんも安⼼できるように⼼がけているそうだ。
うにさんのニューボーンフォトは、「神秘的な⾚ちゃんの可愛らしさ」をメインテーマにしており、おくるみの布や⼩物などはシンプルなものをセレクトしている。また⾃⾝で編んだ⾐装も好評だ。
きっかけはママ友のSNS
うにさんに撮影してもらったユーザーはニューボーンフォトをママ友に勧められて興味を持ったそうだ。SNSで友人のママが投稿していた写真が、fotowaで撮影したもので、そこで、ニューボーンフォトと、うにさんを知ったとのこと。実際にニューボーンフォトをお願いした感想は次の通りだ。
「フォトグラファーさんを⾃宅に招き、⽣まれたばかりの⾃分の⼦供を撮影いただくのは、正直不安でした。ですが、実際に来てもらうと、⾚ちゃんのあやし⽅も上⼿で安⼼しました。次の⼦が⽣まれたらまたうにさんにニューボーンフォトを頼みたいと思います」
トレンドとなっているニューボーンフォトだが、一方で撮影するフォトグラファーには高い専門知識が求められる。新⽣児に対する知識はもちろん産後間もないママや依頼主家族への配慮や、⾒栄え優先の無理なポージングをさせないなどのリテラシーが求められる。ニューボーンフォトを撮影しようと考えている方も、このあたりをよく考えたほうがよいだろう。
うにさんは、次のように語る。「ニューボーンフォトは、育児中のママさんの『心に寄り添うもの』と私は思っています。生まれたばかりの頃を思い出して、ママさんの気持ちが少しでも軽く、前向きになればと思っています」
本稿で紹介した通り、生まれたばかりのわが子の姿を残すチャンスは限られている。トレンドに踊らされず、よく理解してからニューボーンフォトを楽しんでほしい。