パーソル総合研究所は10月3日、「中間管理職の就業負担に関する定量調査」(全国・企業規模50人以上の企業の管理職2,000人を対象)の結果を発表。働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%となった。
また、「組織の業務量の増加」を感じている人69.0%(進んでいない企業群では36.3%)、「人手不足」を感じている人65.7%(同44.2%)、「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」と感じている人56.9%(同42.3%)も多かった。
続いて、中間管理職本人が課題と感じていることについて尋ねると、最も多かった回答は「人手不足」(57.5%)だった。一方、300企業の人事担当者に、中間管理職が抱えている課題は何だと思うか尋ねたところ、「働き方改革への対応の増加」(52.0%)という回答が最も多くなり、中間管理職本人と人事の認識には食い違いがあることが分かった。
さらに、中間管理職の負担感の高さに応じて「高群」「中群」「低群」に分けると、「高群」では「低群」に比べて、「残業が増えた」(47.7%)、「仕事の意欲が低下した」(23.8%)、「転職したい」(27.0%)、「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」(64.7%)の割合が高くなった。
この結果について、パーソル総合研究所の小林祐児 主任研究員は「単に労働時間に上限を設けることが主流の現在の働き方改革では、逆に中間管理職の業務量の負担が増してしまう」と分析。そのうえで、「働き方改革は、関連法案への対応のフェーズから、業務プロセスの効率化や組織風土改革など、より抜本的な改善フェーズに進むことが求められている」とコメントしている。