10月1日に兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で第67期王座戦五番勝負第3局(主催:日本経済新聞社)が行われ、永瀬拓矢叡王が斎藤慎太郎王座を下し、王座を獲得したました。
難解な終盤戦を制して二冠目を獲得。斎藤王座は無冠に
斎藤慎太郎王座に永瀬拓矢叡王が挑んでいたこのシリーズは、これまで永瀬叡王が2連勝。 先手の永瀬叡王が矢倉に構えると、斎藤王座は攻勢をとって対抗しました。中盤戦に入ると先手は銀冠に組み替え、後手は馬を作ってその堅陣攻略を目指します。終盤戦に入っても、どちらが優勢か分からない「形勢不明」の局面が延々と続きました。
そして迎えた最終盤、「負けない将棋」を代名詞とする永瀬叡王がついに競り合いを抜け出します。斎藤王座の見落としていた鋭い攻めで後手玉を受けなしに追い込むと、最後はしっかりと反撃をかわして161手で勝利しました。
これで永瀬叡王が3連勝で二冠目となる王座を獲得、同時に規定による八段昇段も果たしました。一方の斎藤王座は無冠になりました。
現在、複数冠を所持しているのは他に渡辺明三冠(棋王、王将、棋聖)だけで、永瀬新王座にはさらなる活躍の期待がかかります。局後のインタビューでは「望外の結果が出て、うれしく思います。これからも一生懸命勉強して棋力向上に努め、さらにタイトルを増やせるように頑張りたいと思います」と、語りました。