京王電鉄では、多くの駅で列車が到着する際、列車接近メロディーが導入されている。相模原線稲城駅でも、10月2日始発から列車接近メロディーが導入された。
■列車接近メロディーに力を入れる京王電鉄
稲城駅のある東京都稲城市をホームタウンとするプロサッカークラブ、東京ヴェルディの創立50周年を記念し、試合の始まりの音楽としてサポーターから親しまれている東京ヴェルディのテーマ曲「Victory」を2番線ホーム(新宿方面)、落ち着きのあるクラブソング「With You」を1番線ホーム(橋本方面)のメロディーにそれぞれ採用した。稲城駅の利用者や地域の人々に親しんでもらえるようにとの意図である。
京王電鉄では、2011年11月16日に京王八王子駅でファンキーモンキーベイビーズの「ヒーロー」(1番線ホーム)・「あとひとつ」(2番線ホーム)を列車接近メロディーに導入。これをはじめとして、主要駅で列車接近メロディーの導入を進めている。
たとえば、調布駅ではNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の主題歌、いきものがかりの「ありがとう」を使用。明大前駅では明治大学校歌を聴くことができる。単に列車の接近を警告するだけでなく、列車が来ることに期待感を抱かせるような音楽が多くの駅で採用されている。
稲城駅への列車接近メロディーの導入を受け、10月2日に稲城駅前南口広場で導入記念式典を開催。こどもたちを連れた家族を中心に、多くの人たちが集まった。
■地元に根ざしたクラブとして
式典で挨拶した東京ヴェルディ代表取締役社長の羽生英之氏は、「ここ10年で市と距離が近くなりました」「今回の列車接近メロディー導入はその象徴です」とコメント。その上で、「地元に密着したクラブでありたい」「チームと皆さまの心の絆を深めたい」との考えを示した。
稲城市長の高橋勝浩氏も式典に出席し、「チームの節目のめでたい年に、このようなことができてうれしい。競技種目を増やし、地域の総合型チームをめざしているヴェルディは未来永劫、地域に根ざしてほしい」と東京ヴェルディへの熱いメッセージを送った。稲城駅長の水嶋努氏も挨拶し、今回の列車接近メロディー導入を「大変喜ばしい」とした上で、「このメロディーに親しんでいただきたい」と述べた。
羽生社長から高橋市長、水嶋駅長へ、東京ヴェルディ所属の小池純輝選手(MF)、梶川諒太選手(MF)のサイン入り公式球が贈呈されたあと、稲城駅で流れる列車接近メロディーの音源が披露され、多くの人たちが耳を傾けた。式典の終わりには来場者とのじゃんけん大会が行われ、優勝者には東京ヴェルディのユニフォームが贈られた。
当日は東京ヴェルディオリジナルキャラクター「ヴェルディ君」、稲城市公式キャラクター「稲城なしのすけ」、京王電鉄のキャラクター「けい太くん」も参加し、こどもたちと記念撮影を行う光景も見られた。
京王電鉄では、多くの駅に特色ある列車接近メロディーを導入し、地域の人々に親しまれている。稲城駅にも列車接近メロディーが導入されることで、稲城駅が利用者により親しまれる駅になることを期待したい。