第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ戦が9月30日に東京・将棋会館で行われ、藤井聡太七段が三浦弘行九段を135手で破り、リーグ初の白星を飾りました。

A級棋士の三浦弘行九段を135手で下す

藤井聡太七段

三浦九段はタイトル獲得経験もあるトップ棋士。7月に羽生善治九段、8月に斎藤慎太郎王座、9月に豊島将之名人を破るなど好調で、今年8月に行われた藤井七段との初対局でも勝利していました。

本局は角換わり腰掛銀になりました。早い段階で角を持ち駒にして、相手の陣形作りを牽制する狙いの戦法です。

69手目までは前例のある進行で、持ち時間4時間のうち藤井七段は35分、三浦九段は51分しか使わないハイペースとなりました。70手目に三浦九段が44分考えて新手を指し、全く新しい展開となりました。対する藤井七段は71手目に80分の大長考で強く踏み込み、決戦に。最後は藤井七段が三浦九段の攻めをしのいだ後に反撃する形で勝利しました。

王将戦挑戦者決定リーグ戦は7人による総当たりで、最も成績が良かった棋士が渡辺明王将と七番勝負を争います。藤井七段がこれから戦う相手は、対局順に豊島将之名人、久保利明九段、羽生善治九段、糸谷哲郎八段、広瀬章人竜王。いずれも将棋界を代表するトップ棋士で、全員がタイトル獲得経験者です。

また、このリーグに初参加となる藤井七段は順位が低く、挑戦権を獲得するには過去の傾向をふまえると5勝は必要となりそうです。

非常に厳しい戦いとなりますが、トップ棋士を相手に、どこまで戦えるかに注目です。

次戦は対戦成績0勝3敗とまだ公式戦では一度も勝てていない豊島名人との対決です。この一局が挑戦権のゆくえを占う序盤戦の大きな一局になることは間違いないでしょう。その対局は10月7日に関西将棋会館で行われ、将棋連盟ライブ中継アプリと将棋プレミアムで生中継されます。