トーンモバイルは9月30日、アプリの利用制限機能やユーザーの見守り機能を搭載した格安SIM「TONE SIM(for iPhone)」をアップデートすると発表した。利用制限に対応したアプリの数を増やしたほか、AI(機械学習)を利用した「TONEあんしんAI」の機能をiPhoneでも利用できるようにした。シニア向けの健康管理機能も新たに追加した。料金プランは月額1,500円(税別)の1種類のみで、インターネットは無制限で利用できる。アップデートは10月24日より順次実施される。

  • 子ども向けの安心機能を搭載した格安SIM「TONE SIM(for iPhone)」がアップデートし、柱となる見守り機能が強化された

今回のアップデートの目玉となるのが、アプリの利用時間制限機能。現在はYouTubeやLINEなどの5種類について、アプリごとに利用できない時間帯を設定できる。今回の改良で「パズル&ドラゴンズ」や「荒野行動」、「フォートナイト」など27種類のアプリを追加。特に、フォートナイトは子どもの保護者から「利用制限に加えてほしい」との要望があったアプリだという。「トーンモバイルはテクノロジー寄りの会社と見られやすいが、ユーザーの声もしっかり聞いている」(石田宏樹社長)。保護者が見守りの管理に利用するスマホは、iPhoneとAndroidのどちらでもよい。

  • 利用時間制限に対応したアプリは、子どもに人気のゲームアプリや動画アプリを中心に、合計32種類に増えた

  • YouTubeやInstagramなどのアプリは、Webブラウザーからのアクセスも遮断できるようになり、「裏技」の穴をふさいだ

  • アプリが制限されると一切の通信がシャットダウンされる。Wi-FiもLTE回線もつながっているのに、通信エラーとなってプレイできなくなった

TONEあんしんAIは、Androidを搭載したスマートフォンで搭載されていたが、新たにiPhoneでも利用できるようになった。位置情報を利用した見守り機能「TONEファミリー」は、日ごろの利用状況をもとに「この時間にこの場所にいるのはおかしい」ということをAIが判断し、保護者にアラートを通知するといった機能を追加した。

石田社長は「子どもはiPhoneを持ちたがっているが、アップル純正のスクリーンタイムはアプリごとに制限をかける機能はなく、管理を有効にするには親がiPhoneを持っている必要がある。日常生活の見守り機能もない。その欠点を解消すべく、TONE SIM(for iPhone)に新機能を追加した。子どもの睡眠時間の確保に役立ててほしい」と語る。

  • トーンモバイルが主催するイベントには、保護者から要望の声が多く寄せられるという

新たに追加したシニア向けの健康管理機能は、TONEモバイルが販売するAndroidスマホで提供していた「ライフログ」と同じ。ユーザーの歩数や運動量をもとに将来の病気発生確率を提示したり、毎日の運動量の目標をクリアするとTポイントを付与するなどの特典を用意する。

  • 歩数をもとに消費カロリーや活動量を算出するライフログ機能。目標をクリアするとTポイントが付与される

  • 過去のデータをもとに、将来の病気発生確率を表示する機能もある

TONE SIM(for iPhone)は、NTTドコモ回線を利用するiPhoneやSIMフリー版のiPhone 5s以降のモデルであれば利用できる。トーンモバイル自身は対応のiPhoneを販売しないが、新機種の購入で使わなくなったお古のiPhoneをお下がりで使うか、中古ショップで取り扱う中古品の利用を勧めている。

  • TONE SIM(for iPhone)に対応したiPhoneと中古品の最低価格の目安。中古iPhoneは流通量が多く入手しやすい

  • 子どもやシニアのユーザー比率が高いことからも、トーンモバイルの取り組みが評価されていることが分かる