映画『惡の華』の公開記念舞台あいさつが28日、都内で行われ、伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨、井口昇監督、原作の押見修造が出席した。

映画『惡の華』の公開記念舞台あいさつに出席した伊藤健太郎、玉城ティナ(左から)

前日に公開初日を迎えた映画『惡の華』。公開を記念して行われたこの日の舞台あいさつに、主演の伊藤健太郎はじめ主要キャスト陣と井口昇監督、そして原作の押見修造が登壇した。

クラスの問題児・仲村(玉城)と主従関係を結ぶ主人公の春日を演じた伊藤は「最初に『中学生の役です』と聞いて、これは大変な撮影になるなと思いました。それと同時に今までやったことがない役柄でしたので、最初から僕にとって大きなモノになるなという感じがありました」と自身にとってターニングポイントになる作品だと思ったようで、「それに監督さんから8年間温めてきたという熱いお話をしていただき、それを僕にやらせてもらうと聞いてすごくうれしかったです。プレッシャーよりも良いものを作りたいという気持ちの方が強かったですね」とオファー時の心境を告白。さらに、「最高でしたね。ドキドキしながら見させていただきましたが、僕がやれることは全部やったので、素敵に切り取って編集していただき、素敵な作品になっていました。本当にありがとうございます」と語った。

伊藤が演じる春日を支配しようとする仲村役の玉城は「仲村っていうキャラクターはすでに圧倒的な存在感があって、私が演じることで仲村というキャラクターがプラスになればと思っていました。だから漫画を一番に参考にしましたが、演じる上ではとらわれないようにしようと心掛けました。仲村に出会えて本当に良かったと思っています」と感想を漏らすと、原作者の押見は「仲村佐和は玉城佐和になっていました。それぐらい最高だと思います」と玉城の演技を絶賛した。

舞台あいさつの最後には、押見が自ら書いた似顔絵の色紙を登壇者にプレゼント。伊藤は「うれしいですね。自分の顔を原作者の先生に描いてもらえるなんてメチャクチャ光栄でなかなかないですから。部屋に飾ります」と笑顔。伊藤の横にいた飯豊が「サランラップ巻いた方がいいんじゃない? これ。インクが薄まらないように」と話すと、玉城は「サランラップなんて初めて聞いた(笑)」と驚いていた。

累計発行部数300万部を記録する押見修造の同名人気コミックを実写映画化した本作。主役の春日高男には、若手俳優の注目株・伊藤健太郎、春日の中に自分と通ずる何かを見つけ、執拗につきまとう仲村佐和役に女優として大躍進を続ける玉城ティナ、春日が片思いをするクラスのマドンナ・佐伯奈々子役に16歳の次世代モデル・秋田汐梨が数百人以上のオーディションを経て大抜擢。春日と仲村の姿を通して、鬱屈とした青春と行き場のない衝動、そして思春期の暗黒面をリアルに描き出す。