米Intelは9月26日、同社のメモリおよびストレージの製品・技術に関して、現時点の最新情報を公開した。2020年にOptane Memoryの第2世代が投入されることや、SSDに用いる3D NANDについても、新世代の96層3D NANDへ移行した「Intel SSD 665p」が今年中に登場すること、さらに2020年には144層3D NANDへ移行することなどがわかった。

96層3D QLC NANDの「Intel SSD 665p」が近日登場

新世代の96層3D NANDへ移行した「Intel SSD 665p」が今年中に登場

同社は3D NAND技術で第2世代にあたる64層3D QLC NANDを用いた製品を展開中だが、2019年中に、3D NANDのメモリセル積層数を96層に増やした第3世代へと移行させる。その96層3D QLC NANDを用いた製品として、コンシューマ向けM.2 NVMe SSDの「Intel SSD 665p」を市場投入する計画だ。

同社のコンシューマ向けM.2 NVMe SSDでは、QLC型の64層3D NANDによる「Intel SSD 660p」シリーズが現行製品だが、Intel SSD 665pはその後継製品となる。3D NANDの積層数を大幅に増やしたことで、容量や速度の向上が期待できるだろう。

さらに2020年には、第4世代にあたる144層の3D QLC NANDへと移行する計画だ。144層3D QLC NANDを用いた製品では、データセンター向けが先行するとのこと。

  • 2019年中に96層3D QLC NAND、2020年には144層3D QLC NANDへ

また多値技術についても、現行のメモリセルあたり4bitの記憶密度を持つQLC(Quad Level Cell)の次として、5bit/セルの「PLC」(Penta Level Cell)のNANDを開発中であることも明らかにされた。ただし製品化のスケジュールなど、時期的な目途は語られていない。

  • 5bit/セルの「PLC」NANDを開発している

Optane Memoryは2020年に第2世代へ

Optane Memoryの技術の第2世代への移行が、2020年になることも発表された。

現行の第1世代のOptane Memoryでは、データセンター向けメインメモリモジュールを置き換えるDIMM形状のDDR4互換かつ不揮発性メモリという特徴を持つ「Optane DC Persistent Memory」(開発コード名: Apache Pass)と、同じくデータセンター向けでストレージ速度をOptane Memory技術でアクセラレートするSSD「Optane DC SSD」(同: Cold Stream)を展開中だ。

2020年に、それぞれを置き換える第2世代の「Barlow Pass」(開発コード名)と、「Alder Stream」(同)が登場する。

  • Optane Memoryは2020年に第2世代へ移行する

どちらもデータセンター向けではあるが、今回はOptane DC Persistent Memoryについて、間もなくワークステーションに向けて、そして将来的にはクライアントPCへも提供を予定しているという言及があった。Microsoftが、クライアントOSに対してOptane Memoryをサポートする変更を加えているところであり、Intelと密に取り組んでいることも明かされた。一般的なパソコンにおいても、メインメモリが不揮発性となる時代が案外近くにきているのかもしれない。

  • マイクロソフトがクライアントOSでOptane Memoryへのサポートを進めているとのこと