普通、「新人王」といえばその世界に入って1年目、もしくはデビュー間もないプレイヤーで、最も優秀な成績を収めた人を指します。しかし、将棋の世界では事情がやや異なり、若手棋士やアマチュア、プロ棋士の卵である奨励会員が参加する「新人王戦」で優勝した選手が「新人王」の称号を手にします。よって、他の世界ではなかなか見られないことですが、「新人王」に複数回なることが可能です。
増田六段がアマの快進撃止める 第50期新人王戦
そして、現在史上4人目となる「3度目の新人王」に迫っているのが増田康宏六段です。増田六段は9月24日に東京「将棋会館」で行われた第50期新人王戦トーナメント準決勝で、それまでアマチュアながら若手精鋭を連破して勝ち進んできた早咲誠和アマを下し、決勝戦進出を決めました。
増田六段は藤井聡太七段とともに「西の藤井、東の増田」と言われるほどその才能が高く評価されている棋士。インタビューや大盤解説での歯に衣着せぬ発言でファンも多く、今後の活躍が期待されています。
新人王戦は第37期にそれまで30歳以下だった出場資格が26歳以下に大幅に制限され、制度変更後に複数回新人王になったのは佐藤天彦九段と増田六段のみ。3度目の新人王となれば制度変更後では初の快挙となります。
決勝の相手は今期ここまで15勝7敗と好調で、棋戦初優勝を狙う高野智史四段。増田六段の3度目の優勝か、高野四段の初優勝か。決勝三番勝負に注目です。