「俺が若い頃はもっと苦労したんだ」「それが最近の若いやつは」。どこの職場でも聞く愚痴のひとつです。「いまの若いやつはもっと苦労すべき」…たしかに、インターネットもない、コンプライアンスも重視されていなかった昔は、きっと今よりも苦労が多かっただろうと推察できます。

しかし、苦労することだけが大切なんでしょうか。その苦労には、相応の”価値”があったんでしょうか。…そんなことを考えさせられる漫画「苦労しすぎて現実を正しく見れなくなることがあるって話」がツイッターで話題です。執筆したのは、漫画家のまの瀬さん。

「最近の若者は苦労が足りん」と考える係長と、「私が苦労すると私のためになるんですか?」と全く真逆の考えを持つ若手の立花さん。「係長は色々苦労されてきたと伺ってますが なにかそれが係長自身のためになったことがありますか?」と水を向けると、立花さんの言動にイライラしていた係長は、「耐える力があるんだよ すぐキレる最近の若者とは違ってな!」と思わず大声。耐える力があると言いつつキレてしまう係長に、立花さんは「完璧なフリからのオチ」と嫌味を投げかけます。

一転、「あんまり先輩(係長)をいじめてやるなよ」と立花さんをたしなめる赤羽先輩登場からの、見事なオチはぜひ本編をご覧いただきたいのですが、赤羽先輩が言い放つ「人は自分が払った代償には相応の対価が有ると信じたいものなんだ そうじゃないと救われないだろ?」という言葉は、「苦労しすぎた人」の心の中で起きていることの本質を見事に捉えていると思わざるをえません。

苦労そのものに価値があると思うのではなく、どのくらいの価値があるのか。客観的に見ることができる目を養いたいものです。

この投稿に対して、読者の皆さんからも「自ら進んで苦労するのは良いけど、他人から押し付けられる必要性はまったくない」「正しいトレーニングが大事なのであって 間違った方向のトレーニングは効果が低い これが分からない人が多すぎますね」「するのは苦労ではなく努力である」「意味のわかる苦労と、意味のわからない苦労がある」と共感の声が続々と集まっていました。

ツイートからおおよそ3日間で、約1,400件のリツイート、3,300件のいいねを集め、話題になっていました。