インテルは9月25日、今年の第3四半期まで(2019年1月~9月)の取り組みを振り返るとともに、今後の展望を紹介する記者説明会を開催した。第10世代Intel Coreを市場投入した成果や、eスポーツ普及に向けた活動強化の方針などが語られていた。

インテルの鈴木国正社長

登壇したインテル 代表取締役社長 鈴木国正氏は「Project Athena」に言及。Project Athenaは、同社が仕様を策定した最新のモバイルノートPCプラットフォームを指しており、枠組みとしては、過去のCentrinoやUltrabookのようなものに近い。

同社は今年8月に、このProject Athenaの「体験」を満たすモバイルノートPCに「Engineered for Mobile Performance」ロゴを付与するマーケティングプログラムを発表している。今月開催されたIFA2019では、主要PCメーカーの製品展示ブースにて、このロゴマークを伴ったモバイルノートPCの姿も見られた。

  • Project Athena準拠を示す「Engineered for Mobile Performance」ロゴ

Project Athenaは「体験」を重視したことから、その仕様に準拠しているかどうかの判断には、「瞬時の起動」「優れた応答性」「十分なバッテリー駆動時間」という3つの基準による指標「体験指標 (KEI)」が採用されている。

これはマーケティングメッセージが明確でシンプルであったCentrinoやUltrabookに比べると、より観念的で複雑に見えるが、同社は「性能があがっていく通常進化から、今後はもっとユーザーのニーズにあわせた様々な進化が必要という中で、しかし多様すぎては実現できない。何を優先するのかがポイント」といい、IntelがAthena参画メーカーとともに2019年に目指すものとして、今回はこのKEIが掲げられたと説明している。Project Athena準拠を示すロゴがあらわすものは、ユーザーがどんな体験を望んでいるのかによって姿を変えていく可能性がある。

  • 「Project Athena」と「体験指標 (KEI)」の概要

同社はEngineered for Mobile Performanceロゴの付与を、"優れた体験"ができるパソコンであることに対して「シンボリックに使っていきたい」としている。現状では、ロゴを取得しているPCは各メーカーでも一部の高性能モデルが中心だ。端的に言えば、「難しく考えずに、とにかく売り場で一番いいパソコン」を探せば、もれなくこのロゴが付いているというイメージだろう。

  • Project Athenaの参加メーカー。今のところ主に海外メーカーが多い

  • 「多くの機種が」とあるが、「シンボリック」なので、実際はある程度絞られるようだ

なお鈴木社長は、2019年の国内PC市場について、比較的好調であった昨年にも増して順調に進捗していることも説明した。この流れを受けて第4四半期以降は、第10世代Intel Coreに続くイノベーションの追求、eスポーツの盛り上げとゲーミングPC市場のさらなる拡大、働き方改革も追い風となるビジネスPCの取り組み、プログラミング必修化などIT教育がひろがる教育市場への取り組みの4点を注力分野とすることを示していた。

  • 第10世代Intel Coreとして、「Ice Lake」と「Comet Lake」(ともに開発コードネーム)が市場投入された

  • 2019年の国内市場をPC+タブレットの台数で見ると、上半期だけで900万台以上に到達。昨年の年間1,370万台を上回ることはほぼ確実