米Adobeは9月24日 (現地時間)、アーティストやクリエイターから注目されているiPad用のドロー&ペイント・アプリ「Adobe Fresco」の提供をApp Storeで開始した。
サブスクリプション型のフリーミアムモデルを採用しており、無料のままでも多くの機能を使用できるが、ブラシの種類や書き出せるファイルの制限などプロ向けのプレミアム機能は利用できない。Creative CloudのコンプリートプランまたはPhotoshop単体プランのユーザーは、契約プランでFrescoのフル機能を使用可能。また、アプリ内課金でFresco単体のフル機能プラン (月額9.99ドル、日本では同1,080円)を購入できる。動作環境は、iOS 12.2以上で動作するiPad Pro (全モデル)、iPad Air (第3世代以降)、iPad (第5世代以降)、iPad mini (第5世代以降)。
Frescoは、iPadとApple Pencilを使って、"描く"ことをシンプルに楽しめるアプリとして開発された。キャンバスやスケッチブックに描く楽しさをiPadで実現、あらゆる表現に対応できる豊富なツールを1つのアプリに凝縮している
最大の特徴は、ベクターデータとラスターデータの両方を扱えること。「ベクターブラシ」「ピクセルブラシ」「ライブブラシ」の3種類のブラシが用意されている。
Illustratorに採用されているベクターは、シャープでクリーンなイラストに適している。点の座標とそれを結ぶ線や面の情報で構成されており、描画を劣化させることなく自在に拡大・縮小できる。ただし、Frescoはベジェ曲線を用いた描画をサポートしていない。手描きのようなタッチを避けたい場合には、スムージング機能をオンにするとフリーハンドでも正確なラインや曲線を引ける。
ピクセルブラシとライブブラシはラスター形式だ。ピクセルブラシは、ブラシ作家Kyle T. Webster氏が作成した1000種類以上のブラシを選択できるほか、Photoshopブラシも読み込んで使用可能。ライブブラシでは、いくつもの色が重なり合った油絵の厚みや水彩のにじみなど、本物の画材のような表現をAdobe Senseiテクノロジーが精巧にシミュレートし、現実の画材を使ってるような感覚で描ける。