JR貨物はこのほど、貨物駅構内のコンテナ位置情報を一元管理する「TRACE」システムの更新に着手すると発表した。
「TRACE」システムは、コンテナの積卸しを行うフォークリフトに取り付けた車載機器と、コンテナ・貨車・トラックに取り付けるタグによって、コンテナの位置情報を管理するシステム。2004年の導入以降、初というシステム全体の更新により、新型タグへの更新と車載機器の更新、システムのアプリケーション改修、ビッグデータ収集・分析・活用のための新サーバ構築が行われるという。
システム更新後は、フォークリフトの車載端末にコンテナごとの作業指示が表示されるようになり、正しい作業であるかどうかもタグによって自動的にチェックできるようになる。これにより、作業の安定性や安全性、コンテナの輸送品質が向上するほか、トラックドライバーとフォークリフトオペレーターがTRACEを介してメッセージをやり取りできるようになり、ドライバーが構内で降車する必要がなくなる。
また、貨物駅構内のコンテナ留置エリアの番地を1個ごとに細分化できるようになり、コンテナを探索する時間も削減。「TRACE」の作業指示画面に、自分のフォークリフト位置に応じた次の荷役作業候補を表示することで、端末操作時間も削減する。
フォークリフトに搭載しているドライブレコーダー映像やTRACE機器の操作履歴、GPS走行軌跡などのデータ収集もできるようになる。蓄積したデータは、構内のエリア割の最適化や荷役事故の効果的な分析に活用するという。
システム更新の総投資額は約30億円。2021年9月までに新型タグへの更新を行い、2022年9月までに「TRACE」車載機器の取替えを行う予定としている。
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