俳優の小栗旬が、22日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ボクらの時代』(毎週日曜7:00~7:30)で、2008年に亡くなったヒース・レジャーについて語った。

小栗旬

小栗旬

この日は、公開中の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』で共演した沢尻エリカ、蜷川実花監督と共に出演。ヒース・レジャーは、『ダークナイト』(08)でバットマンと敵対するジョーカー役を怪演したことで知られ、睡眠薬などの薬物併用摂取による急性薬物中毒によってこの世を去った。28歳だった。

小栗は、「人間ってそこまで心が強くないじゃないですか。とてつもなく繊細で、心が弱くて、でもだからこそ別人格を演じることに命をかけているから、気がつくと何かに頼ってしまう瞬間がたぶんあるんだと思うんですよね」と演じることの苦悩を回顧。

さらに、「この話は使える話じゃないと思うけど。絶対に日本的には良い話ではないと思うけど」と前置きした上で、「役者が結局それでオーバードーズ(薬物過剰摂取)みたいなことになって死んでしまうようなことは、あるよなと思うわけ。本当に」と主張。「例えば、一番最近でいえばヒース・レジャーみたいな人だって。あのジョーカーを生んだんだとなったら、なるよ。だって、現実がどこかってきっと、わかんなくなっちゃうんだもん」とその心情を推察した。

ヒースは事故死と伝えられ、本人が煩悶していたのかは定かではない。小栗は、「でも、それで一番重要なのは何かというと」と切り出し、「人殺した経験ありますか? というところに行き着いた結果、僕らは人を殺したことはないけど、人を殺す役をやらなければいけないというのが、最終的に一番究極に悩まなければいけない部分だと思うんだよね」と真意を説明した。

「ドラッグの役だからドラッグやりますとか、そういうことじゃないよね。ということは、『いろいろな想像力で補いましょう』というのが一番重要なところになっていくよね」と演じる上での核心に触れる小栗。「なるべく体験しようと思っていました」と若かりし頃を振り返り、「自分の想像力をもう少し信じてみようかな、なんて思ったりすることも増えてきたかもしれないですね」と自身の変化を語っていた。