はい、iOS 12.4で追加された機能により、旧iPhoneから新iPhoneへ直接データを転送することが可能になったため、必ずしも事前バックアップの必要はありません。iPhone 11にはiOS 13がインストールされた状態で出荷されますから、アプリや各種データをパソコン(iTunes)またはiCloudにバックアップしなくても、新iPhoneから旧iPhoneへ環境をそのまま移行できます。
その「直接データ転送機能」は、ワイヤレス(Wi-Fi)またはケーブルのどちらかを選択できます。手軽なのは前者で、自宅にルータなどのネットワーク機器を設置していなくても直接通信できますから、新旧iPhoneを近づけておくだけでOKです。後者は転送スピードに優れるものの、LightningケーブルとLightning-USB 3カメラアダプタが必要になるため、多少の出費を覚悟しなければなりません。
データの転送は、iOS 12.4以降が動作する新旧iPhoneを近づけた状態で開始します。iPhoneの検出にはBluetooth LEの機能が利用されるため、Bluetoothがオンになっていることを事前に確認しておきましょう。旧iPhone側にクイックスタート画面が表示され、Apple IDの確認を終えればデータ転送へと進んでいきます。有線で転送する場合は、前述したケーブルとアダプタを利用して接続しておきます。
ただし、新iPhoneのストレージ容量が旧iPhoneのものより小さい場合、データ転送を開始するための画面が表示されません。新iPhoneにはアプリのデータはコピーされますが、アプリ本体はApp Storeからダウンロードし直されるため、データ転送完了からしばらくしないとアプリを利用できないことにも注意しましょう。