全国約200市区町村で電動自転車のシェアサービス「HELLO CYCLING」を展開するOpenStreetは9月20日、新たにスクーターのシェアサービス「HELLO SCOOTER(ハロースクーター)」の提供を開始した。

  • スクーターのシェアサービス「HELLO SCOOTER(ハロースクーター)」が登場!

スマホ1台で貸出・返却の手続きが完結

「HELLO SCOOTER」は、貸出場所と異なる場所に車両を返却できる「乗り捨て型のシェアスクーターサービス」。専用のアプリにてスクーターの貸出・返却場所となる「ステーション」の検索から、利用予約、決済までの一連の手続きを行うことができる。

本田技研工業(Honda)の技術協力のもと、貸し出すスクーターには「ジャイロキャノピー」という3輪タイプの車種を採用。デリバリーサービスなどで活用されている、屋根と大きな荷台が付いているアレだ。同サービスで借りられるものには、女性でも使用しやすそうなカジュアルなデコレーションが施されている。

  • 原付3輪スクーター「ジャイロキャノピー」をよりスタイリッシュにカラーリング

それではここから、実際に使用する際の流れを見ていこう。

まずはアプリで会員登録を行い、所定の手続きを経てアカウント・免許証・決済方法を登録すれば利用が可能となる。免許証の本人確認には最大36時間かかるとのことなので、初めて利用する際は予約の2日前には登録作業を済ませておくのがいいかもしれない。また、本人認証にてクレジットカード名義との照合を実施するため、クレジットカードを所有していなければ登録できないので要注意。

次に、アプリで借りたい場所(ステーション)を選択し、乗りたい車種を予約。乗車予定の60分前から車両の予約が可能となっている(予約から60分を過ぎると自動的にキャンセルとなる)。予約の際に返却場所のステーションを指定しておけば、借りた場所以外のところに返却できる。デフォルトでは出発地点と同じ場所に返却するように設定されているとのこと。

シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」の場合、返却場所の事前予約なしでも空きがあれば自由に返却できるが、スクーターでは安全面などに配慮し、事前に返却場所を予約するオペレーションとなったようだ。

  • アプリからステーションの場所を検索し、予約を行う

予約が完了したら、貸出場所に置かれたスクーターのもとへ。アプリに表示される手順に従い、レンタルを開始する。荷台部分に設置されたボックスは予約後に開閉が可能になる。

  • 車両を予約後、ステーションで車両のナンバーを確認。アプリの指示に従って車体の傷などをチェックし、後方についているボタンを押すとボックスのドアが開く

ボックスを開けてみると、中にはキーやヘルメット、給油の際に使えるガソリンカードなどが入っている。キーやヘルメットはプラグに接続されており、返却時には再度プラグに差し込まないと返却手続きが行えない仕組みとなっている。

  • 盗難などを防ぐため、キーやヘルメットはプラグに接続して管理している。アプリ上で予約を完了しないと、キーを差し込んでもエンジンがかからない仕組みに

ジャイロキャノピーはカスタムすることで普通自動車として扱えるミニカー登録が可能となるが、安全面などを重視し、同サービスで提供されるジャイロキャノピーはすべて原付3輪の規格となっている。そのため、ヘルメットは必ず着用しなければならない。

ユーザーは、持参したヘルメットを使用してもいいが、手ぶらで貸出場所まで行き、備え付けのヘルメットを利用することもできる。ボックス内には使い捨てのインナーキャップも用意されている。

  • 他人が使ったヘルメットに抵抗感のある人も少なくないだろうが、海外のスクーターのシェアサービスなどでもヘルメットの中にインナーキャップを被るスタイルはスタンダードだという

発車時や駐車時の車両の操作方法、基本的な交通ルールやマナーについてを解説した動画などもアプリ内から見られるようになっているため、発車前にひと通りしっかりチェックしておこう。

  • ハンドル周りには、操作方法の説明が書かれたシールが

準備が完了したら、いざ出発。普段は足を運ばないエリアまでちょっと遠出してみるもよし、荷物が多い日の移動に活用するもよし、仕事で終電を逃した日の帰りの足に使うもよし。移動手段の新たな選択肢として、いろいろな可能性が考えられそうだ。

  • ナビは付いていないため、必要に応じて各自対策していただきたい

返却時は、キーやヘルメットをボックス内のプラグに再度差し込み、ボックスのフタを閉じれば手続きは完了。アプリ上で料金が表示され、登録したクレジットカードからその分が引き落とされる。

  • 予約から返却まで、アプリ内ですべて完結

貸出や返却を行うステーションは現在、新橋エリアに1カ所、新宿エリアに1カ所、目黒エリアに2カ所を展開しており、今後は、埼玉県の浦和・浦和美園エリアにもステーションを拡大していく予定とのこと。

安全性を担保するため、車両台数(4カ所、計20台)やステーション間の距離などはサポートやオペレーションの手が行き届きやすい規模感でのスタートとなるが、徐々にその規模を拡大させ、ユーザーの利便性向上を目指すという。

2016年に提供開始したシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」においては、すでにセブン-イレブン約300店舗と連携しているが、今回のサービスでもステーションパートナーとしてセブン-イレブンや東急不動産などが名を連ねている。

最後に、気になる利用料金をご紹介。月額基本料金は1,000円となっており、この中に対人・対物賠償保険、傷害保険が含まれる。加えて、利用時間に応じた複数のプランを用意。短時間の利用を想定した「160円/15分の時間加算+20円/kmの距離加算」という内訳のお手軽プランに始まり、「3時間パック 1,500円」「6時間パック 2,800円」などをラインナップ。各パック適用時間を超過した場合は、「160円/15分の時間加算+20円/kmの距離加算」の金額がプラスされる。

  • 料金プラン一覧

今回のサービス開始にともない、お得に利用できるキャンペーンも実施。「20円/km」の距離加算分は、サービス開始時は無料になるという。そのほか、シェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」会員で、「HELLO CYCLING」を累計で5回以上利用したユーザーは月額基本料金が無料になる上、「3時間パック 1,500円→1,000円」などの割引料金で「HELLO SCOOTER」を利用できるとのこと。同キャンペーンは2019年12月末まで実施予定。

  • キャンペーン料金プラン一覧

「HELLO SCOOTER」を利用したいが原付に乗り慣れていないという方は、まず「HELLO CYCLING」を利用するところから始めてみてもいいかもしれない。

※価格はすべて税別