厳しい暑さが和らぎ、ようやく過ごしやすい気温になってきた今日この頃。休日、会社の同僚たちと集まって秋のBBQを計画しているビジネスマンの皆さんも多いのでは? そんなとき、ササッと手際よく美味なお肉料理を振舞うことができれば、一躍ヒーローになれるはず! ここでは、エバラ食品工業の社員でありバーベキュー上級インストラクターの資格も持つ、肉のプロこと畠 和美さんに教わった"手軽"で"美味"なBBQテクニックを紹介したい。

  • バーベキューの肉が格段に美味しくなる裏技を、プロに教えてもらってきた

    プロに聞いたBBQを"手軽"で"美味"に楽しむ方法

BBQをもっと"手軽"に楽しむ方法

「BBQは好きだけど、準備や片付けが面倒で……」と億劫になっている人もいるのではないだろうか? 畠さんいわく「炭を使わなくてもBBQは楽しめます」とのこと。そう、何が面倒かというと、やはり"炭"。重いし、うまく火をおこせない人も多いし、後片付けも大変だ。正直、炭を使わないだけでBBQへのかなりハードルは下がる。でも、炭を使わなかったら、火はどうするのかというと……「カセットコンロ&フライパンでOKです」。

  • カセットコンロのBBQでも味はもちろん、映え感もばっちり!

「カセットコンロなら、炭をおこす手間もなく、火加減の調整も簡単。後始末も必要ないので、より気軽にBBQを楽しめます。あと、鉄製フライパン『スキレット』があれば写真映えするおしゃれな仕上がりになりますよ」とのことだ。

BBQをもっと"美味"に楽しむ方法

BBQのとき、業務スーパーでたくさん肉を買って、炭に火がついたら網のうえでドカドカ焼いていくだけ……という人も多いのでは? もちろん、野外で食するお肉はそれだけでもおいしいのだが、畠さんは「前日の漬けワザを使えば、もっと美味しいお肉が楽しめますよ」と話す。

  • 漬け込み前の肉

  • 漬け込み後の肉。ジューシーでうまみも格段にアップ!

「赤身の多いお肉は、焼肉のタレに漬け込むと、タレに含まれる有機酸の働きによって筋線維に隙間が生まれ、そこに糖やアミノ酸が入り込んで保水力が高まります。それにより、肉汁の流出が抑えられてジューシーでやわらかいお肉になるのです。また、相乗効果で旨みも格段にアップします」

この漬けワザについては、下記の記事でも紹介しているので参考にしてみてほしい。
家焼肉のプロに聞いた、安い肉が劇的においしくなる方法
安いステーキ肉が劇的においしくなる方法を、プロに教えてもらってきた

プロ直伝BBQレシピ1「スペアリブ」

ここからは畠さんに教えてもらった2つのBBQ肉料理を紹介していこう。1つ目は「スペアリブ」。"美味しいのはわかってるけど、作るのに時間がかかる&食べにくいから敬遠しがちな肉料理の代表格"とも言える「スペアリブ」。そんなイメージを覆す、お手軽&美味なレシピがこちら。

  • プロ直伝BBQレシピ1「スペアリブ」

【用意するもの】
豚スペアリブ(骨付き)……8本(約900g)
焼き肉のタレ(黄金の味)……1と1/2カップ(約300g)
ヨーグルト(プレーンタイプ)……75g
※付け合わせの野菜(アスパラガス、トマトなど)

【前日準備】
1.豚スペアリブは、骨に沿って皮の中心に切れ目を入れる(骨についている膜を切るイメージで、深く切り込む必要はなし)。これにより、骨から肉が離れやすくなる。

  • 骨の皮に切れ目を入れると、骨から肉が離れやすくなる

2.さらに、豚スペアリブに切れ目を入れる。これによって火が通りやすくなり、食べやすさがアップ。

  • 肉に切れ目を入れると、火が通りやすくなって食べやすさも◎

3.沸騰したお湯の中に豚スペアリブを入れ、火が通るまで下茹でする。

  • 下茹ですることで当日に長時間焼く手間を省ける

4.ジッパー付きの袋に焼き肉のタレ(黄金の味)とヨーグルトを入れ、よく混ぜる。

  • ジッパー付きの袋に焼肉のタレとヨーグルトをイン!

5.混ぜたタレの中に粗熱をとった豚スペアリブを入れ、全体になじむように軽く揉みこむ。漬け込むことで肉がやわらかくなり、うまみがアップする。

  • 漬け込むことで、肉のやわらかさもうまみもアップ

【当日】
1.お肉を常温に戻し、タレを軽くふきとってからフライパンで焼く。焼き色がついたら完成。

  • もう肉には火が通っているので、軽く焼き色がつけばOK

プロ直伝BBQレシピ2「ステーキ」

BBQの鉄板メニューと言えば、やっぱり「ステーキ」。とはいえ、つい焦がしてしまったり、レアすぎたり……失敗しがちなのもまた「ステーキ」。ここでは、焼き方や仕込みに加え、赤身肉に好相性なモーリョ(ソース)の作り方も教えてもらった。

  • プロ直伝BBQレシピ2「ステーキ」

【用意するもの】
・ステーキ
牛ステーキ肉……1枚(約400g)
焼き肉のタレ(黄金の味)……300g
サラダ油……適量
※付け合わせの野菜(アスパラガス、トマトなど)

・モーリョ
タマネギ……大1/2個
トマト……中1/2個
パプリカ(黄色)……1/2個
キュウリ……1/2本
パセリ……1/4束
オリーブ油……30ml
浅漬けの素 レギュラー……60ml

【前日準備(ステーキ)】
1.ジッパー付きの袋に焼肉のタレ(黄金の味)と牛ステーキ肉を入れ、軽く揉みこむ。

  • 焼肉とタレに牛ステーキを漬け込む

【前日準備(モーリョ)】
1.野菜はすべてみじん切りにして器にうつし、「浅漬けの素」とオリーブ油を入れる。

  • 野菜は細かくみじん切りにすればOK

2.よく混ぜたら完成。

  • 混ぜ合わせたら、もう完成。あとは当日に持って行くだけ

【当日】
1.牛ステーキ肉を常温に戻し、軽くタレをふきとる。お肉を冷たいまま焼くと表面だけが焦げてしまうので注意

  • 意外と知らない人が多いのが、肉を常温に戻すこと。うまく焼くためのマストポイントなので気をつけよう

2.フライパンを熱し、うすく煙が出てきたら火を止め、サラダ油をひく。再度火をつけたらお肉を並べ、強火で30秒焼き、次に弱火で1~2分焼く。裏面も同様に焼き上げる。※牛肉の厚さ1.5cmでミディアムに焼き上げる場合を想定

  • 強火と弱火を使い分けて焼き上げるのが重要

3.両面が焼けたら、フライパンから肉を取り出し、アルミホイルで肉全体を包んで約2分間、休ませる。その後、食べやすい大きさにカットしたら完成。※肉を休ませることで肉汁が全体に行き渡り、ジューシーなステーキに仕上がる

  • アルミホイルで肉を包み、少し休ませることでうまみを定着させれば完成

BBQは仕事仲間との結束を高める!

「BBQをコミュニケーションツールの一つと捉えて、家族・友人だけでなく仕事関係の方とも交流を深めてみてください。おいしいお肉をほお張れば、自然と笑顔になり職場では見られない一面も垣間見えるかもしれません」と、畠さんは仕事仲間とのBBQにはメリットが大きいと話す。

  • エバラ食品工業の社員であり、バーベキュー上級インストラクターの資格も持つ、肉のプロこと畠 和美さん

準備や片付けが億劫な人にこそ、今回教えてもらった手軽&美味なBBQがおすすめ。「ハードルが高いと思われがちなBBQですが、準備を自宅で済ませることで手荷物もゴミも減らすことができます。使い慣れたフライパン調理で失敗リスクも減らして気軽に楽しみましょう。また、前菜、メイン、サイドメニュー、デザートとコースメニューと同じ考え方でメニューを準備するとみんなで楽しめる満足度の高いバーベキューになります」とアドバイスをくれた。

過ごしやすい気候で、美味しい食材も豊富にそろう秋。BBQにぴったりなシーズンとあって、ここで教えてもらった裏技を活用して仕事仲間たちの前でカッコイイところを見せてほしい。