漫画家・藤近小梅さんがTwitterで発表した短編漫画「好きな子が家のカギを忘れた」に、注目が集まっている。描かれているのは、中学生男女の放課後でのやり取り。ブランコに乗った女の子が、男の子に背中を押してほしいと頼むが……ドキドキの状況に、ツッコミや応援のコメントが寄せられている。
好きな子が家のカギを忘れた pic.twitter.com/aejuW4G7Cq
— 藤近小梅@好きめが①②巻発売中 (@hujiume) September 15, 2019
学校が終わった後、男の子(小村くん)が、クラスメイトの女の子(三重さん)を見つける場面から物語は始まる。1人、公園のブランコに乗った女の子に「話しかけても大丈夫だろうか……」と思いながら近寄る男の子だが、すぐに気付かれる。彼女は「家の鍵忘れちゃって、お母さん帰ってくるまで待ってるの」と状況を説明。「悩みでもあるのかと思ってしまった……」としばし安堵する男の子をよそに女の子は、「ブランコ押してくれない?」と頼む。
「えっ俺がっ?」とうろたえる男の子だが、女の子は「押してもらうのひさしぶり」と準備万端の表情を浮かべる。さらに狼狽する男の子。「あれ……? ブランコってどう押すんだっけ?」とドギマギし、「背中押すのか……?」「そんなん……婚前にやっていいことだったか……?」とまで混乱してしまう。
当惑しつつも軽く、とん、と背中を押す男の子。キイーコキイーコと揺れる背中を押すが一つの懸念が頭によぎる。「あれっ……これ……前から……見えてるのでは!?」。そこで鎖をガッシと握り、揺れを止める。内心では「だからって急に止めるな俺のバカ―ッッ!!」と自戒しつつ、「どしたの?」と問う女の子に「ごめん! その……」と返す。
そこで空気は一転。ブランコに乗ったまま首を上に向けた女の子と、鎖を持ったまま彼女の顔を覗き込む形になった男の子、2人の顔は至近距離まで近付く。「風が……」と口にする男の子。思わず後ずさりしながら、ブランコのもう一つの椅子の方までよろけていく。それを見ながら、女の子は「風? さむくないよ大丈夫。ズボンはいてるし」と答える。
リプライには「婚前悩んでたのに押しちゃうのかわいい」「結婚はする前提なの草。応援してるぞ」「背中を押すことは婚前にやってはいけないことだったか。ならば責任を取って結婚するしかないな!」「背中を押してやるからはよ結婚しろい」と男の子のあまりの困惑具合にツッコミや応援の声が。中には「本来婚前にはやらない"背中を押す"をやった。つまり2人は実質婚約済……?」とする、エキセントリックな指摘も見られた。
また、女の子にも「髪のふわふわ感がたまらん」「押してもらうことを素直に喜んでるのが大変無邪気で愛おしく……こんな子が孫に欲しい人生だった」とのコメントも。さらに「端々の心情、とても『らしい』言い回し、とても好き」「思春期の女性の体のどこなら触っていいのかわからない男心すごいわかります!」「『風が……』の絵が凄く素敵!」と描写力に称賛の声もあがっている。
この短編の作者・藤近小梅さんは、スクウェア・エニックスの漫画雑誌「月刊ガンガンJOKER」で『好きな子がめがねを忘れた』を連載中。今回の作中の男の子と女の子も、同作からのキャラクターで、それぞれ名前は小村くん、三重さんという。漫画『好きな子がめがねを忘れた』は、2019年6月にコミックス2巻が発売されている。