ロジクールは9月18日、新型フラッグシップマウス「MX MASTER 3」を日本向けに正式発表し、9月27日に販売を開始します。MX MASTER 3は「MX MASTER 2S」の後継モデル。ガラス面を含むあらゆるテーブル面をトラッキングできる4,000dpi精密センサーやボタン構成などの基本スペックは踏襲しつつ、新型ホイールの採用、親指ホイールやボタンの大型化、充電端子をUSB Type-Cに変更するなどさまざまな改良が加えられています。またMX MASTER 3の発売に合わせて、ユーティリティー「Logicool Options」がアプリごとにプロファイルを作成できるように進化しました。

今回ロジクールより発売に先駆けてMX MASTER 3を借用しました。そこで本製品の改良点と、実際の使い勝手についてレビューしましょう。

  • ロジクール「MX MASTER 3」直販価格13,500円

カラーは3色、基本操作は前モデルを踏襲

MX MASTER 3はロジクールの非ゲーミングマウスとしては最上位に位置づけられているフラッグシップモデルです。本体サイズは124.9×84.3×51mm、重量は141g。本体カラーはグラファイト(MX2200sRG)、ミッド・グレイ(MX2200sMG)、ブラック(SEB-MX2200sBK)の3色が用意されています。

解像度は最大4,000dpi。ガラス製テーブルなどあらゆる表面材質に対応できるとうたう「ダークフィールド」センサーが採用されています。

PCとの接続には、ロジクール独自のUSBドングル「Unifyingレシーバー」またはBluetooth Low Energyに対応。Windows、Mac、そしてLinuxとの互換性が謳われています。ただしLinux用にLogicool Optionsやユーティリティー「Logicool Unifyingソフトウェア」はリリースされていないので、Linuxの場合はあくまでもマウスとして利用できるだけです。

操作部は、左クリック、右クリック、スクロールホイール、親指ホイール、進むボタン、戻るボタン、ジェスチャーボタン、ホイールモードシフトボタン、電源スイッチ、接続先を切り替える「Easy-Switch」を搭載。操作部の数や配置はMX MASTER 2Sを踏襲しています。

最大3台のWindows機、Macのデスクトップ間でマウスカーソルを行き来させ、テキスト、画像、ファイルのやり取りが可能な「Logicool Flow」も引き続き対応。Logicool Flowの設定項目で「リンクキーボード」を有効にしておけば、マウスカーソルを移動させると「MX KEYS」などの対応キーボードも同時に利用可能となります。

  • MX MASTER 3

    パッケージにはマウス本体、Unifyingレシーバー、USB-C充電ケーブル(USB-A to USB-C)、説明書類などが同梱されています

  • MX MASTER 3

    本体天面。左クリック、右クリック、スクロールホイール、ホイールモードシフトボタン、ジェスチャーボタンが配置されています

  • MX MASTER 3

    本体底面。電源スイッチ、センサー、接続先を切り替える「Easy-Switch」が用意されています

  • MX MASTER 3

    本体前面には充電用のUSB Type-C端子が設けられています

  • MX MASTER 3

    本体背面。波のような表面処理が施されています

  • MX MASTER 3

    本体左側面。親指ホイール、進むボタン、戻るボタン、ステータスランプを配置。ステータスランプは充電時緑色に点滅します

  • MX MASTER 3

    本体右側面

操作性が着実に向上、アプリごとのカスタマイズも可能に

ハードウェア的に最も大きく変わったのがスクロールホイールに「次世代MagSpeedホイール」を採用したこと。MX MASTER 2Sにも、クリック感のある回転「クリック・トゥ・クリック」から勢いよく空転する「高速スクロール」に自動的に切り替える機構が採用されていました。これにより、一般的なスクロール操作と、長いウェブページを一気に自動スクロールする操作をシームレスに利用できました。

しかしMX MASTER 3には、高速にスイッチングする電磁石と、機械加工されたステンレス鋼による次世代MagSpeedホイールが採用されており、クリック・トゥ・クリックと高速スクロールがよりスムーズに切り替わります。実際に操作してみると、より軽い力、少ない動きで両操作を切り替えられることがわかります。イメージ的には、指を弾く「助走」が短く済む……というのが最も近い表現だと思います。

  • MX MASTER 3

    より軽い力、少ない動きでクリック・トゥ・クリックから高速スクロールに切り替えられるので、慣れてくると両操作を意識せずに使い分けられます

ホイールのスクロール感の違い。最初がMX MASTER 2S、次がMX MASTER 3です

もうひとつのハードウェア的な大きな変更点が親指の操作エリアの最適化。左側面には親指ホイール、進むボタン、戻るボタンが配置されていますが、MX MASTER 3は親指ホイールを大型化し、進むボタン、戻るボタンが分離しています。ぱっと見は少し野暮ったくなりましたが、見た目よりも操作性を重視したものと思われます。