工場などの衛生管理サービスを手掛けるアース製薬グループの「アース環境サービス」は、AI(人工知能)を搭載した次世代型の捕虫器「RIG(リグ) 1.0」を用いたサービスを開始する。

  • AI捕虫器「RIG 1.0」って何?

    AIを搭載した捕虫器「RIG(リグ) 1.0」

「RIG(リグ) 1.0」は、LED照明メーカーのLuciとAIシステム開発のゴウハウスの3社で共同開発した捕虫器で、LEDによる誘引・着陸型捕獲と独自の昆虫判定AIにより、より高度な防虫管理が可能となっている。

  • アース環境サービス、Luci、ゴウハウス3社による共同開発

「世界で最初に、このサービスを提供したかった」と語る、アース環境サービスの松本吉雄代表取締役社長。同社では、食品関連工場をはじめ、医薬品、化粧品、化学品などの製造工場などで、異物混入や汚染防止など防ぐ「総合環境衛生管理」を行っており、「1匹の虫が経営リスクとなる」と言われるように、より高度な防虫管理は重要なファクターとなっている。

その中でも「昆虫モニタリング」のデータ取得には多くの時間と労力を費やす必要があり、データを所得した際には既に商品が出荷済み、消費済みというのが現状だという。

防虫管理においては混入管理が難しく「業界での技術革新がなかなか起こらなかった」といい、10万種いるといわれる昆虫を生産環境の中で状態を調べ、また虫によって混入リスクが違いより高度な判定能力が必要とされてきた。

  • 登壇した アース環境サービスの松本吉雄代表取締役社長

今回提供される「RIG 1.0」のサービスは、捕獲昆虫のカウントや判定に特化しており、独自のAIでリードタイムを数週間から数分へと圧縮しており、製造ロットに対応した昆虫の捕獲データの評価や処置を出荷判定までに完了させることが可能となっている。

  • 捕獲された昆虫をカウントし判別する

「RIG 1.0」には誘引能力を高めたLEDを搭載しており、誘引された昆虫は捕虫シートで捕獲される。捕獲された昆虫は撮影され、画像をデータ化し定期的にIoTサーバーに転送。データを元にAIエンジンが、捕獲昆虫のカウントと判別を行い、得られた昆虫データを元にAIエンジンは学習を継続。解析した虫の種類や数などのデータはPCやスマートフォンなどに送られる。

  • 解析結果がPCやスマートフォンなどで確認できる

本体価格は18万円で、それ以外にサービスのコストとして撮影・解析・即報を1時間に1回行う「プラン720」が月額2万5千円、24時間に1回行う「プラン30」が月額1万5千円となっている。