漫画家・五箇野人(ごかやじん)さんがTwitterで公開したエッセイ漫画「海外のバス乗車でモタついてたら強面紳士に電撃をくらう。」に、話題が集まっている。描かれているのは、タイトルの通り、欧州のとある町で作者の五箇野人さんが経験した"衝撃的"な出来事。リプライには感嘆の声や、自分も近しい体験をしたというエピソードが寄せられている。

  • 五箇野人(ごかやじん)さんによる漫画「海外のバス乗車でモタついてたら強面紳士に電撃をくらう。」

ヨーロッパの片田舎、五箇野人さんは定額制の市バスに乗ろうとする。財布は、お札をくずした「小銭パンパン」で、用意も万端だ。しかし、そこで問題が発生。五箇野人さんが想像していた以上に、市バスのキャッシュレス化は進んでおり、運転手もスマホ片手にプライベートの電話をしながら、「ICカード専用だ」と告げる。

そのICカードは、バスで10分かかる駅の窓口での販売。戸惑う五箇野人さんに、後ろから「オイ」と声がかかる。振り返ってみると、無精髭を生やした全身タトゥーのコワモテな男性が。五箇野人さんは、その気迫に漏らしてしまいそうにすらなってしまう。だが、コワモテの男性は現地語で、運転手と言葉の応酬を始める。

「えっ!? すいません……! 降りますから……!」と、たじろぐ五箇野人さん。そこで、男性はICカードを改札機にかざし、ズイと入ってくる。平謝りの五箇野人さんに対して彼は、満面の笑みで「I LOVE JAPAN. 2人分払っといたから」と知らせる。そのICカードのパスケースには、日本発で国内外問わず人気のゲームに登場する、電気を放つネズミ似のキャラクターが。五箇野人さんは、その優しさに「ガチの10万ボルトくらいシビれた」という。また、現金を渡そうとしても「その金でこの国楽しんで」と返されたようで、それにも「シビれちぎった」ようだ。

リプライでは「自分が日本で外国人さんにこんなことできるかって考えると、この男の人のカッコよさがよく分かります」「イケメン。優しさが10万ボルト」「かっけええ……いざやろうとすると『余計なお世話かな』とか色々迷うから、こういうことをためらいなくできる人は尊敬できる」「最後のパスケースがお茶目すぎます」と男性への称賛の声が。また、「文化は世界を救う……癒やされました!」「世界はラブで出来ていて欲しいと信じたいので、とても幸せな気持ちになりました」など国境を越えた優しさに感嘆のコメントも集まり、「異国での 電撃体験 嫉妬する」と詠む人も見られた。

さらに、「私もアメリカでほぼ同じ経験をしました。日本みたいにバスの中で両替できると思って乗ったら、(中略)アタフタしてたら、すでにバスに乗っていた黒人のおじさんがすっとやってきて払ってくれました」「私もNYの地下鉄で買った磁気チケットが反応せず困ってたら、通勤途中風の女性が、パッと彼女のICチケットでゲートを反応させてくれて~。お金を払おうとしたら、『いいのよNYを嫌いにならないでね♪』とさっそうと去って行ったー」「私はこの前イタリアでバスに乗ったとき、小銭しか持ち合わせてなくて運転手さんに話して次で降りようとしたら『良いから乗っていきな!』って言われて無料にしてもらえた」「僕もこの前香港に行った時に同じようなことありました! 惚れちゃうかと」など世界各国で近しい体験をしたという報告も。「どこの国にもいるんすねーこんな良い人」というコメントも寄せられている。

この短編の作者・五箇野人(ごかやじん)さんは、小学館のコミックアプリ「サンデーうぇぶり」で『#世界#映え殺し#ツアーズ』、同社の月刊漫画雑誌「ゲッサン」では『世界歩いてるとドープな人にカラまれる』を、それぞれ連載している漫画家。12日には、両作とも、収録されている写真がフルカラーの第1巻が刊行された。