ラコステジャパンは9月13~25日まで、ショップ「OLD meets NEW」を表参道ベーカーリーカフェ426でオープンする。同ショップは古着から新作まで取り扱う、新しいチャレンジだという。オープンに先駆け、見学したので紹介したい。
ラコステによるビジネスセオリーからの脱却
ラコステジャパン 代表取締役 李孝(りー・たかし)氏は、「国内で、『販売されないまま破棄される洋服』は1年間で約7億着。こうしたファッション業界が直面する大量生産・大量廃棄問題に対して、ラコステジャパンからの独自提案が今回の『OLD meets NEW』です」と話す。
期間限定とはいえ、古着と新作を同時に販売することは、ファッションブランドの従来のビジネスセオリーに反するチャレンジ。しかし、「タイムレスな価値」を大切にしているラコステとしては、取り組むべきことだと判断したと言う。
また、マーケティング部 部長の櫻間史子氏は、「ブランドからの一方的なメッセージではなく、ブランドのファンであるお客さまも一緒に楽しんでもらえるかを考えて、出てきたアイデアが『古着』でした」と話す。
親から子へ引き継がれた衣類を、時代にとらわれず、新しいファッションとする。古着から新作をファッションとして取り入れ、それがリサイクル活動の一環にもなる。こうした企業姿勢が今回の取り組みだという。
そして、企業としての持続的な成長を続けるため、ブランドの持つ「コアなイメージ」をあえて壊すような価値提案を今回のショップを通して発信していきたいそうだ。
古着と新作では価格に差があり、古着のポロシャツでは1,000~2,000円のものや、限定商品だと4万円するものもある。なお、中心価格は5,000~6,000円となる。
全国の古着屋から収集した約400点の商品は、すべて仕入れ価格=販売価格で、期間終了後に売れ残った古着は、プレゼント企画などで顧客に還元する予定だという。
古着と新作をミックスコーデで楽しむ
また単なる古着販売にとどまらず、店舗では「ニュークラシック」「ユースカルチャー」「フレンチシックなモノトーン」「アーバンスポーツ」「パワードレッシング」という5つのコンセプトとともに、古着と新作のミックスコーデを展示。それらをまとめたルックブックも配布する。
箔押しで古着をアップデート
更に古着を元の価値より高める試みとして「UPCYCLE(アップサイクル)オーダー会」も用意。テキスタイルデザイナーの藤澤ゆき氏が、ラコステのポロ/Tシャツなどの洋服に対して箔押しを行い、プレゼントするという。
店舗がオープンしている期間中、昔購入したラコステのポロ/Tシャツ、もしくはこの店舗で古着を購入した場合に、1日先着3名を対象に、3つのパターンから選んで、箔押しサービスし、自宅へ郵送するのだ。
これは箔のプリントという技法で、箔のデザイン作成後、プレス機で熱圧着し、箔を接着させる方法だそう。箔のプリントで、古着特有の染みやダメージを隠せるので、古着の新しい楽しみ方として体験してほしいと藤澤氏は言う。
シェアサービスやリユースが一般的となりつつある中、ラコステという老舗のファッションブランドが行う今回の取り組み。業界全体へ投げかけた、新しい提案としても、楽しんでほしい。