BTOパソコンを手掛けるマウスコンピューターは12日、開催中の「東京ゲームショウ 2019」でのプレスカンファレンスにて、パソコン事業の拡大に向けた新プロジェクト『DIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020』を発表した。
DIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020は、デジタルミュージック、デジタルアート、eスポーツ、LANパーティといった、一見すると異なる領域のデジタルエンターテイメントが一堂に会すという、ユニークな枠組みで開催される参加型イベントになるようだ。様々なコンテンツをまとめて体験でき、それらが融合することで、これまでにないデジタルエンターテイメントの楽しみ方を生もうという目論見がある。
イベントはマウスコンピューターが主催し、第一弾となるDIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020の開催は2020年の春を予定。イベントをサポートする企業として、デジタルミュージックに「DETUNE」、デジタルアートに「LIMITS」(ピーエイアイエヌティ)、eスポーツとLANパーティに「RIZeST」の3社が参加することも発表された。
DETUNE代表取締役社長の(佐野電磁の名義で有名な)佐野信義氏は、これまでも音楽を「つくる過程」をエンタメにできないかと考えていたそうで、このイベントの話は渡りに船だったようだ。実際にどういったカタチになるのかは後日に期待だが、佐野氏はDIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020で「作曲をeスポーツ化します!」と宣言していた。
LIMITSを運営するピーエイアイエヌティ代表取締役の大山友郎氏は、「若い人がデジタルエンターテイメントに触れる機会」としてイベントに期待していると話す。LIMITS(リミッツ)とは、”絵が生まれる制作過程”をパフォーマンス競技に昇華させたデジタルアートの大会(参考記事はこちら)。佐野氏は作曲をeスポーツ化すると言ったが、LIMITSではまさにアートをeスポーツ化したような競技が繰り広げられる。今日では世界大会が開かれるまでに広がっており、参加するクリエイターだけでなく、「観戦」という面でも非常に楽しめる内容なので、注目してほしい。
RIZeSTはeスポーツイベントの運営や配信で実績があり、eスポーツ専用施設を国内で初めて開設したり、近年ではeスポーツ大会の開催を容易にするPLAYHERAプラットフォームのリリースに取り組んだりと、この分野で先進的な企業のひとつだ。同社代表取締役社長の古澤明仁氏は、「アートやミュージック、ゲームそれぞれに共通して、共感できる部分があるのではないかと常々考えていた」と、DIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020の主旨への賛同を示していた。
あわせてマウスコンピューターでは、大学や専門学校などがデジタルエンターテイメントの催しに参加しやすいようサポートする施策として、『DIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL in COLLEGE』を開始することも発表した。
デジタルエンターテイメントに取り組む学校は増えているが、一方で大会などの催しを開こうとすると、ノウハウや機材面などで高いハードルに当たってしまうという現実に直面する。それをマウスコンピューターがサポートするというのが、この施策の中身だ。
イベントを企画している学校に対し、同社のゲーミングPCやクリエイターPCなどの機材を無償で貸し出し、同社が持つイベント運営のノウハウも提供する。細かいところでは、例えば利用ゲームタイトルなどの権利関係をクリアにするための複雑な許諾対応にも協力する。さらに、イベントを開催する際の告知もサポートすることで、集客面の不安にも貢献する。
今回の東京ゲームショウ 2019の会場では、取り急ぎ新プロジェクトの始動と、上記の概要が発表された。マウスコンピューターは、より具体的、詳細な情報を詰まり次第、来春のDIGITAL ENTERTAINMENT FESTIVAL 2020の開催に向けて順次公開していく予定。こちら動きがあれば、弊誌でも引き続き追いかけていくつもりだ。