きょう12日に放送されるフジテレビ系番組『直撃!シンソウ坂上』(毎週木曜21:00~)では、俳優の中井貴一を特集する。

  • 中井貴一=フジテレビ提供

番組MCの坂上忍は、中井の招待を受け、神奈川・葉山町にある中井行きつけのレストランへ。意外にも初対面となる2人だが、まずは過去の中井主演ドラマの視聴率ランキングを懐かしい映像とともに振り返っていく。当時、大きな話題となりシリーズ化された『ふぞろいの林檎たち』(TBS系、83年)では、“鬼演出家”と恐れられた鴨下信一氏に文字通り朝から晩まで怒鳴られ続けたというエピソードを披露し、わずか25歳で主演に抜てき(放送時は26~27歳)された大河ドラマ『武田信玄』(NHK、88年)の裏話も語られる。

中井の父は、映画『君の名は』(松竹、53年)などで知られる二枚目トップスターの佐田啓二。佐田は撮影所近くの食堂で働いていた益子さんと結婚し、貴惠、貴一という2人の子供に恵まれ、公私ともに充実した日々を過ごしていた。しかし、64年の夏、中井が2歳11カ月の時に車で仕事に向かう途中、交通事故で死亡してしまった。原因は、運転手の居眠り運転だった。

佐田という大黒柱を失った益子さんは、貯金を取り崩しながら女手一つで貴惠と貴一を育てることに。成長した中井が、父が亡くなった事故の原因を尋ねても「運命だったのよ」と答えるだけだったという益子さん。なぜ母は、父の死の真相を息子に伝えなかったのか。そこには、大人になった今だからこそ分かる、母から子への“教え”があったと振り返る。

家族でたった1人の男性となった中井を、幼少の頃から厳しく育て上げた益子さんは、3年前に他界。益子さんは中井が『ふぞろいの林檎たち』、『武田信玄』、映画『ビルマの竪琴』(東宝、85年)といったヒット作品に次々と出演しても、その演技について、「俳優として、まだまだ」と一切褒めてくれなかったという。そんな益子さんが亡くなる直前、中井は母と一対一で向き合い、あることをお願いする。そこで、母について「殴られた思い出しかない」と語ったほど厳しく育て上げられてきた中井は、この時、不覚にも泣き崩れてしまったと告白。これまで家族にも話してこなかったという特別なエピソードが初めて明かされる。

さらに中井が語ったのは、日本では04年に公開された中国映画『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』に日本人としてたった1人で参加した際のエピソード。中国西部の新疆ウイグル自治区で撮影された作品だが、その過酷な環境やスケジュールに、俳優人生最大の挫折を味わったという。

ついに我慢も限界を超え、撮影途中だったにもかかわらず帰国を決意し、ホテルで荷物をまとめていた際に、日本から1本の電話がかかった。電話をかけてきたのは、超大物俳優・Tで、彼に「こらえろ」と諭された中井は、荷物を戻して最後まで撮影を乗り切ったという。中井が“第二の父”と慕う、その超大物俳優とは…。そして、その超大物俳優からもらった「宝物」に込めた、中井の特別な思いとは…。

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