漫画家・田川ミさんがTwitterにて発表したサイレント漫画「人間の赤ちゃんに遭遇する狼と犬」が、話題を呼んでいる。タイトルの通り描かれているのは、人間の赤ちゃんに出会った狼と犬の2匹が、懸命に赤ん坊をあやして落ち着かせる姿。心温まる光景に称賛の声があがっており、セリフのない漫画ならではといったように国を超えての評価も集まっている。
人間の赤ちゃんに遭遇する狼と犬#こりせんまん pic.twitter.com/R4vqcUdN8O
— 田川ミ@こり➀発売中! (@tagawa_mi) September 5, 2019
物語は、一匹の狼がかごに入った赤ちゃんを見つける場面から始まる。狼に怯えたのか泣き出してしまう赤ちゃん。狼は慌てて援軍とばかりに、犬を呼び寄せる。事態を把握していなさそうな犬に、狼は「とにかく来てくれ」と言わんばかりの気迫。犬は、赤ちゃんを目にすると笑顔であやし、かごの中に顔をうずめてしっぽも振る。それに狼は少しドキドキの表情。
「よしよし」という声が聞こえてきそうなくらい優しげな微笑みを向け、赤ちゃんをあやし続ける犬。そこで、ふと赤ん坊を見つめた犬は、とびきりの笑みを浮かべながら狼に「見てよ」というかのように誘う。先に泣かせてしまったからか、自分が近寄るのを嫌がる狼だが、ニコニコの犬に負けて、そっとかごの中を見やる。そこには、目を閉じてスヤスヤ眠る赤ん坊の姿が。「ほらね」という表情の犬に、狼も「ほう……」という顔を向けるが、最後には2匹共、ウットリと破顔してしまう。
リプライには「あったかくなった」「吹き出しが一個もないのになんて言ってるのかなんとなくで分かるのすごい……」「頭の中に勝手にセリフが出てくる絵は最高」「赤ちゃんも犬達もかわいい」などその描写力に感嘆の声が。特に「最後の顔めっちゃ可愛すぎて悶えます……」「最後の表情がたまらなく好き」「最後の顔、表情緩みまくってて最高です……」とラストのコマに称賛が集まっている。
さらに、サイレント漫画ゆえか言語の壁を超え、海外からの評価の声も。「Aw, that's cute(あぁ可愛い)」「This is adorable!(愛らしい!)」「Beautiful! Just, amazing job!(まさにキレイ、素晴らしい!)」「These are very well drawn. The whole thing. I love it so much!!(全てがよく描かれている。本当に好き!!)」「This is the cutest thing(最高に可愛い)」など、その多くは英語だが、他にも中国語、タイ語、ベトナム語などアジア圏の言語でのコメントも寄せられた。
この漫画の作者・田川さんは、マッグガーデンによるコミックサイト「マグコミ」にて動物たちの漫画『こりせんまん』を連載中。今回の作中の狼と犬も、同作からのキャラクターで、それぞれ狼の名前は深雲(みくも)、犬の名前は橘(たちばな)という。漫画『こりせんまん』は、2019年3月にコミックス1巻が発売されている。