CyberZとRIZeSTは、CyberZの連結子会社として合弁会社「PLAYHERA JAPAN 株式会社(プレイヘラ ジャパン)」を設立し、eスポーツ大会の開催・参加をサポートするコミュニティプラットフォーム「PLAYHERA」をリリースすると発表した。PLAYHERA JAPANの代表にはRAGE総合プロデューサーの大友真吾氏が就任。また、スマートフォンアプリでPLAYHERAのβ版を9月10日にリリースする。

PLAYHERAは、eスポーツ大会運営者がオンライン上でユーザーエントリーからトーナメント作成、大会進行までをワンストップで運営/管理できるプラットフォーム。大会参加者としては、これまで複数のツールを使うのが一般的だった「主催者からの連絡や対戦相手の確認、結果の連絡」などをアプリ上で完結することができる。

  • PLAYHERA

    アプリ画面イメージ

発表会には、PLAYHERA JAPANの代表に就任する大友氏が登壇し「これまで我々は、RAGEを通じてさまざまなeスポーツ大会を開催したことで、いくつかの課題が浮き彫りになってきました。それをPLAYHERAで解決していきたいと考えています」と取り組みの背景を述べた。具体的に、大友氏がeスポーツの発展に向けて解決すべきだと考えている課題は「eスポーツ大会の開催/運営をもっと手軽に」「競技プレイヤー層の拡大」「各ステークホルダーの収益性の向上」の3つだ。

eスポーツのイベントは、大型のタイプだけでなくコミュニティレベルの大会でも、運営にはかなりのコストやリソースを割かなければならない。また、現状eスポーツタイトルの人口は増えているが、競技シーンに参加しているのはそのうちのごく一部という課題もある。さらに、継続的にeスポーツの大会を行っていくには、オーガナイザーやチームについても収益が還元されるようなエコシステムが必要だという。

  • 発表会でデモを行う大友真吾氏

  • 大友氏が考えるeスポーツの課題

まず紹介されたのは、eスポーツ大会の参加・開催における機能だ。PLAYHERAには、試合前のプッシュ通知によるリマインドや、対戦ルームNo. / サーバーIDを共有するチャット、参加の申し込み、対戦結果の入力といった機能を搭載する。

大会運営側の操作としては、ブラウザを使ってゲームの選定や総参加者数などの設定方法を紹介。ステージ形式はトーナメントのシングルイリミネーションやダブルイリミネーション、ブロックトーナメントなどに対応しており、さまざまな仕様の大会を開催できるようになっている。加えて、オフライン大会においても、GPSチェックイン機能などによって、大会受付の運営工数を減らせるという。

  • 現在のオンライン大会の課題

  • 『どうぶつタワーバトル』を用いて大会に参加するフローについてデモで紹介。難しい手続きなく大会に参加できる

  • 主催者側はPLAYHERAで大会ルールなどを設定する

また、PLAYHERAにはeスポーツ用のSNS機能も搭載する。プロフィールには、自分がプレイしているゲームやランク、使用しているデバイスなどの情報の掲載。SNSを通じてクラン(チームのようなもの)を組めば、情報交換や大会戦績の共有なども行える。そのほか、フォロワーの投稿に加えて大会結果などが表示されるタイムラインも用意するという。

  • SNSのプロフィールイメージ

  • SNSのタイムラインイメージ

さらに、有料のPLAYHERA公式オンライン大会を行うことも可能で、その場合、CyberZの「OPENRECスタジオ」や、秋葉原にあるeスポーツ施設「e-sports SQUARE AKIHABARA」を使って大会の配信ができるほか、運営のサポートもPLAYHERAが実施してくれる。

将来的なPLAYHERAのビジョンとして大友氏は、「現在は、ゲームのメンバーを募集するリクルーティング機能や、ゲームスキルを伝えることでゲーム内通貨を手に入れられるコーチング機能を開発中です。ポイント経済圏をつくって、ゲームがうまい人はコーチングで稼げるようにしたいと考えています。それ以外にも、スポンサー向けに、GoogleアドセンスやFacebook広告のようなライトな出稿ができる新しい広告プラットフォームを検討中。大会主催者がしっかりと収入を得られるように、たとえば満足度の高い魅力的な大会をたくさん開催しているオーガナイザーには、PLAYHERAの収益を一部還元するといったオーガナイザー収益化プログラムも導入したいですね」と構想を述べた。

  • リクルーティング機能のイメージ

  • コーチング機能のイメージ

β版アプリのダウンロードは以下から行える。なお、β版では誰でも大会を開催できるようにはなっておらず、オーガナイザーは別途募集。本リリースは2020年初頭を予定している。
iOS版 / Android版