レノボは9月5日(現地時間)、独ベルリンで開催のIFA 2019に合わせて発表会を開催。その中で、レノボ傘下のMotorola MobilityがAndroid搭載スマートフォンの新製品として、新興国向けの安価な「moto e6 plus」と、4つのカメラを搭載する「motorola one zoom」を発表しました。日本での発売はアナウンスされていませんが、特にmotorola one zoomは日本でも十分な競争力がありそうな製品です。

  • motorola one zoomとmoto e6 plus

motorola one zoomは、6.4インチMax Vision OLEDディスプレイを搭載したスマートフォン。アスペクト比は19:9と縦長で、解像度はフルHD+(2,340×1,080ドット)、画面占有率は85%と、十分な広さです。

  • motorola one zoom。丸みを帯びた背面は比較的持ちやすく、サイズはやや大きめですが、縦長でそれほど持ちにくさはありません

  • 側面はシンプル

SoCはSnapdragon 675、メモリは4GB、ストレージは128GB、「2日間持つ」という4,000mAhの大容量バッテリーを搭載します。生体認証として、ディスプレイ内指紋センサーを備えています。OSはAndroid 9(Pie)です。

  • 背面処理も高級感があり、Mのマークが白く光るところも工夫があります

  • 本体カラーは3色

Android Oneの製品のため、ほとんど素のAndroid OSです。もともと新興国向けのプラットフォームなのですが、日本でもAndroid One製品が投入されているとおり、ミドルクラスとして十分な性能があります。

特にカメラは、標準、望遠、超広角という3つのカメラに加え、深度測定用のカメラを搭載。4つのカメラが正方形に並ぶ形状となっています。メインとなる標準カメラは、4,800万画素のセンサーを採用し、4つのピクセルを1つの画素として使うクアッドピクセル技術によって、暗所に強くダイナミックレンジの広い撮影を可能にしています。レンズのF値はF1.7、位相差AFに対応するほか、光学式手ブレ補正も備えています。

  • 3つのカメラと深度カメラの計4つのカメラを搭載

  • メインカメラはクアッドピクセルによって暗所撮影などに強いカメラです

  • 画角が3倍になる望遠カメラ

  • 117度と広い画角での撮影ができる超広角カメラ

  • 実際の撮影の様子。これは標準

  • 望遠カメラでズーム

  • さらに10倍までのデジタルズームも可能

  • 超広角カメラなら広々とした景色が撮影できます

  • AIによるシーン認識と最適なカメラ設定を自動で行ってくれます

標準レンズに対して3倍の画角となる望遠カメラは、800万画素センサーを搭載。こちらも光学式手ブレ補正を備えます。117度という超広角の画角を持つ広角カメラは、1,600万画素となっています。深度カメラは500万画素です。

カメラを切り替えることで、疑似的な光学ズームを実現するほか、デジタルズームを活用して最大10倍まで拡大することができます。深度カメラによって被写体との距離を正確に測定でき、背景を疑似的にぼかす背景ボケもよりリアルに制御します。

AIによるシーン認識によって、被写体に応じて最適な設定を適用してくれます。夜景や食事など、シーンに応じてきれいに撮影してくれる、としています。

インカメラは2,500万画素のセンサーを搭載し、こちらもクアッドピクセル技術を使うことで、コントラスト比が高いシーンでも白トビなどを抑えて自撮りができます。夜景との自撮りでも威力を発揮しそうです。

  • インカメラも性能を向上させています

発売は9月5日からブラジル、メキシコ、アルゼンチンなどの南米の国で、9月6日からは欧州で発売されます。価格は429ユーロ。米国でも9月5日から発売され、価格は449.99ドルとなっています。

  • インディスプレイの指紋センサーや2日間持つというバッテリー容量も備えています

カメラ機能を重視して4つのカメラを搭載しながら、5万円程度と比較的購入しやすい価格帯を実現したmotorola one zoom。Android Oneなので最新のOSアップデートも入手しやすく、日本でも十分競争力のある製品だと感じました。

もう1機種のmoto e6 plusは、139ユーロと安価な新興国向けのスマートフォンです。6.1インチのMax Vision OLEDディスプレイを採用。SoCはMediaTek Helio P22、メモリは2GB/4GB、ストレージは32GB/64GB、指紋センサーも備えています。

  • 4カラーを用意するmoto e6 plus

  • そのうちの3色のモデル

  • 安価なモデルですが、質感はそれほど悪くはありません

  • デュアルカメラを採用しています

  • 本体側面

moto eシリーズとして初めてデュアルカメラを搭載しているのが特徴で、安価ながらよりカメラを活用したい若者などに適していそうです。こちらは日本では既存製品とバッティングしそうなので、販売は難しいかもしれません。