Googleは9月3日 (現地時間)、Android Qというコードネームで開発していたAndroidの新メジャーバージョン「Android 10」の正式版の提供開始を発表した。Android Open Source Project (AOSP) にソースコードをリリース。同日からPixelシリーズ、Pixel 2シリーズ、Pixel 3シリーズにロールアウトを開始した。年内にAndroid 10を搭載した新製品が登場し、また対応デバイスのアップグレードが進むようにパートナーとの作業を進めているという。

昨年の夏に、Androidは初の搭載デバイスが登場してから10周年を迎えた。Androidのバージョンが10.xになる今年、2009年から続けてきたお菓子名を付けた正式名称 (例: Android 9 Pie)を終了させて、シンプルに「Android 10」という名前にした。

  • Android 10登場

    スマートフォンユーザーの日々の暮らしをより快適にし、新世代のスマートフォンのサポートに踏み出したアップデート

Android 10は、システムUIにダークテーマを追加、戻るボタンやホームボタンを廃したフルジェスチャーナビゲーションをサポートする。また、ここ数年でGoogleが特に力を入れているオンデバイスの機械学習機能の活用を強化した。

セキュリティとプライバシー保護も強化ポイントの1つになっており、プライバシーに関する重要な情報確認や操作を一カ所で行える専用セクション、位置情報に関する確認とコントロールを行えるロケーション・セクションなど、50件近くもの新機能・機能強化を行った。中でも注目されているのが、Project Mainline (Google Play system updatesとして提供)だ。これはセキュリティアップデートやプライバシー保護関連の修正など重要なアップデートをGoogle Playを通じて直接行う。従来の通信キャリアやメーカーからのOSアップデート提供では、最新状態にアップデートされないデバイスが出てくる問題が起こっていたが、Project Mainlineによって重要なアップデートをすぐに受け取れるようになる。また、昨年追加されたデジタルウェルビーイング機能についても、Focusモードやボーナスタイムといったユーザーの利用に即した改善が行われている。

他にも、ディスプレイを折り曲げられるデバイスや5G対応デバイスなど、新世代のデバイスのサポートを含む。

正式版のリリースに到達したが、Android 10の全ての機能を利用できるようになったわけではない。例えば、GoogleのアプリでもGmailはまだダークモードに対応していない。動画やポッドキャスト、オーディオメッセージなどから字幕を自動生成するLive Caption機能は今秋にPixelシリーズから提供開始になるなど、今後のアップデートで利用できるようになる機能やサービスもまだ残されている。