米Mozillaは9月3日 (現地時間)、Webブラウザ「Firefox 69」の安定版の提供を開始した。全ユーザー向けにETP (Enhanced Tracking Protection)を既定の設定に変更、Flashプラグインがデフォルト無効になるなど、ユーザー保護強化の長期にわたる取り組みのマイルストーン到達と呼べるバージョンになっている。
ETPは、Disconnect listにリストされているサードパーティトラッキングCookieを自動的にブロックする。6月にリリースしたFirefox 67.0.1で新規ユーザー向けに「プライバシーとセキュリティ」の標準設定でETPが有効になるように変更、それがバージョン69で全ユーザーに拡大された。
ETPのブロック動作はURLバーの左端にシールド・アイコンで表示され、アイコンをクリックして表示されるメニューからブロック中のトラッキングCookieやファーストパーティCookieなどを確認できる。また、Webサイトごとにブロックを解除するカスタマイズも行える。標準設定では他にも暗号通貨マイニングがブロックされる。フィンガープリント採取については、厳格設定またはカスタム設定でブロックすることが可能だ。
Flashに関してMozillaは、普及率が高く同技術に依存するWebサイトが存在することからサポートを継続していたが、Adobeが2020年末にFlashのサポートおよび配信を終了させる計画を発表したことを受けて、Firefoxでも段階的にサポートを終了させていく作業を進めてきた。Firefox 69でFlashはデフォルトで無効化され、Flashを動作させる際には常にユーザーの許可を求めるようになる。Flashサポートの削除は2020年の前半に実施される。
他にもバージョン69では、自動再生をブロックする機能で、音声再生を伴う動画だけではなく全ての動画の自動再生をブロックするオプションが追加された。Windows版は、パスワードレスを向上させるWindows Helloを通じたWeb Authentication HmacSecret拡張のサポートを追加。Mac版は、MacBook Proなど複数のグラフィックスを備えたMacで消費電力が少ない統合型GPUをより活用して効率的に動作する。