JR東日本とJR東海は3日、両社が協力し、有楽町~新橋間の内山下町橋高架下に生み出した約1万平方メートルの空間を新たな商業施設「日比谷 OKUROJI(ヒビヤ オクロジ)」「日比谷グルメゾン」として、2020年初夏の開業をめざして再生すると発表した。
この計画は100年以上の歴史を刻む煉瓦アーチ高架橋と、東海道本線・東海道新幹線の高架橋が一体となって生まれた高架下空間を生かし、新たな商業施設として再生するプロジェクト。連続した高架柱が特徴の300mに及ぶ、有楽町と新橋をつなぐ高架下通路を整備し、日比谷側へ5カ所の出入口を設けることで、街に開かれた高架下として新たな回遊性のある商業空間を創出する。1910年に作られた煉瓦アーチ高架橋の煉瓦を生かし、次の100年も街のシンボルとなるように美化・整備を行う。
JR東日本が開発するエリアは、さまざまなスタイルのバーと上質な食体験を提供する「大人のナイトタイムを楽しめるゾーン」、高架下らしく気軽に通える飲食店やカフェが集まる「飲食ゾーン」、新しいスイーツや技術・素材にこだわった逸品が並ぶ「食物販・雑貨・ファッションゾーン」からなる商業空間に。施設名称の「日比谷 OKUROJI(ヒビヤ オクロジ)」は、銀座・日比谷の「奥」という立地に、「路地」という施設性を加えることで密かな穴場感を醸成し、深いこだわりと100年の歴史が潜む場を表現した。
JR東海が開発するエリアは、人気で話題性のある個性豊かな飲食店を東京の観光等の中心地である日比谷・銀座という立地に集積させ、東京オリンピック・パラリンピックをはじめ国内外からの来客に食のトレンドを発信する。施設名称は「日比谷グルメゾン」で、東京駅にある「東京グルメゾン」に続くバラエティ豊かな飲食店舗の集まるグルメスポットの第2弾として展開していく。
なお、JR東海用地(東海道新幹線高架橋)は、有楽町側と新橋側の両端のみにおいて公道に接道し、一方のJR東日本用地(山手線・京浜東北線高架橋、東海道線高架橋)は、高架下空間がアーチにより個々に細かく区切られるというそれぞれの制約があった。今回は両社それぞれが所有する用地区分に関わらず、相互に協力して開発エリアが最適となるように区分を設定。これにより、連続性や回遊性の高い開発計画を具現化するとともに、今後連携しながら各々の開発工事を進めることで合意した。
今後、運営会社となるJR東日本グループのジェイアール東日本都市開発と、JR東海グループの東京ステーション開発が開発を進め、2020年初夏の開業をめざす。