9月16日にTBS系で放送される橋田壽賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり 3時間スペシャル2019』(20:00~22:57)の囲み取材が3日、東京・赤坂の同局で行われ、脚本の橋田壽賀子、石井ふく子プロデューサーが出席した。
1990年にスタートし、2011年に1年間の連続シリーズが終了した後も単発番組として放送してきたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』。今年も3時間スペシャルとして放送されることが決定した。今回のテーマは「世代交代」と「新時代」。"幸楽"の担い手は五月(泉ピン子)と勇(角野卓造)から娘夫婦に移り、手伝おうとした五月はつまずいてお客に料理をこぼして𠮟責される始末。店に居場所がないと落ち込む五月は、勇から趣味を持ったらと助言されてスマートフォンに着目する。料理の腕を生かして自分の調理を紹介する動画を配信し始めるのだが、ほかの家族にも様々な問題が降りかかる。
石井プロデューサーは「昨今は家族のドラマをやることが少なくなってまいりましたが、私たちは家族のドラマだけをずっと追い続けてきました。サスペンスや色んなドラマもありますが、橋田さんと私は家族の中にこそ色んなサスペンスがあるのではと思っています。今回の3時間ドラマも、家族の問題です」とアピール。橋田は「私は何も言うことはありませんが、こんなに長い時代、テレビのお仕事をさせていただいて感謝しております。その時代その時代のテーマがあり、それをどこかに発表したいんですが、テレビのドラマの中に入れて送りたいメッセージを送れることが一番の幸せ。30年前から書いていますが、色んな問題が社会の問題とか変わっていきます。そういうものを全部吐き出せていただいたのが『渡る世間』。そういう意味で書かせていただいて本当にありがたいですね」と感謝の言葉を口にした。
今回は"おかくら"の日向子(大谷玲凪)に思いを寄せる男性役に、EXILEのリーダー、HIROから推薦されたという「劇団EXILE」のメンバー・小野塚勇人が演じている。石井プロデューサーは「子役だった日向子ちゃんが劇中では22歳。その相手役を色々考えました。EXILEのHIROさんとお会いしてお話をしたら、候補が何人かいるからということで3人とお会いしたんです。3人の中で小野塚さんは清潔感があったので起用することになりました。舞台経験もあるしとてもいい青年でしたね」と起用理由を明かした。
また、石井プロデューサーと橋田は、今年で60年の付き合いになり、橋田は「前は私を良くするために言ってくださったと思うんですが、ひどい言葉で仰るんですよ」と時には激しい喧嘩もしたそうで、「私は本当にこの方のお陰でライターになれたし、人との出会いで人間って作られると思うんです。こういう大勢いらっしゃるところでお礼を言っておきます。ありがとうございます。2人だけだと照れくさいから(笑)」と笑いを誘う場面も。
さらに、次回作についても触れ、「書けと言われれば書きます。でもまあ、来年死んでいるかもしれませんから(笑)。この前病気して、ベトナムで降ろされてベトナムの病院に入院して死にそうになった時、来年の約束はできないなと思いました。だから来年の約束はしません」と話すに留めていた。