江崎グリコは9月24日、機能性表示食品「メンタルバランスチョコレートGABA(ギャバ)」ブランドより新商品「メンタルバランスチョコレートGABA フォースリープ〈まろやかミルク〉」を発売する。新商品の投入に伴いこのほど、都内で発表会が行われた。
2005年10月から新ブランドとして展開されてきた「メンタルバランスチョコレートGABA」は、2016年9月からは機能性表示食品として商品を発売。新商品はスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど全国の小売店で展開していくという。
ブランド名である「GABA」とは、正式名称"Gamma-Amino Butyric Acid"の略称で、日本語では「γ-アミノ酪酸」と呼ばれている神経伝達物質の一種。副交感神経を優位にすることでリラックス効果をもたらし、ストレスを低減するとされている。玄米をはじめ、チョコレートの主成分であるカカオにも多く含まれているといわれ、同社ではこの機能に着目し、ストレスを低減する機能性表示食品として、ミルクチョコとビターチョコの2商品をこれまでに販売している。
γ-アミノ酪酸は100㎎摂取することで、眠りの深さや、すっきりとした目覚めといった、睡眠の質を高める機能があることが報告されているという。そこで新商品では、3粒(12.5g)あたり100㎎のγ-アミノ酪酸を配合。既存の製品の含有量が10gあたり28㎎であるのに対して、より多くの機能性関与成分を含むことで、「快眠性」の訴求を打ち出したラインナップとして展開していく。
発表会に出席した、同社常務執行役員マーケティング本部長の奥山真司氏によると、日本人の1年間の1人あたりのチョコレート消費量は約2kg。これに対し、欧米ではおよそ10倍の消費量があり、「お休み前にチョコレートを食べる習慣が定着している。日本でもチョコレートが日常の必需食になるにはどうしたらいいのかを考えて生まれたのがGABAブランドです」と背景を説明した。
一方、昨今の日本では、政府主導で働き方改革が強く推進されているが、限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮するためには、休息が大切という考え方が広がりつつある。しかし、厚生労働省白書などの調査では、日本人の睡眠時間は欧米の先進諸国に比べると極端に短いことが明らかになっていることから、睡眠をサポートする市場の一役としても新商品を展開していきたい意向が語られた。
発表会では、杏林大学医学部精神神経科の名誉教授・古賀良彦氏による「GABAと睡眠」と題した研究成果発表も行われた。古賀氏が行った、GABAを摂取した人と摂取していない人のリラックス効果とストレスへの耐性を比較した対照実験では、いずれもGABA摂取の優位性が認められたという。
また、睡眠に対するGABAの効果を調べる対照実験も実施。1週間毎日就寝30分前にGABAを100㎎摂取した人は、プラセボとして同量のデキストリンを与えられた人よりも、入眠潜時(眠るまでの時間)が短く、かつ深い眠りとされる「ノンレム睡眠時間」の長さも増加したとのこと。
さらに、同様の試験を15時に行った場合にも入眠潜時の短縮効果が認められ、ノンレム睡眠深度の指標となるデルタ波の量も増加するなど、GABAを日中に摂取することでも夜間の睡眠が改善することなどが確認できたという。
また、朝9時に摂取した場合にも「日中の眠気には影響を与えないことも確認された」といい、以上の結果から古賀氏は「精神生理学的研究によって、GABAはリラクゼーション効果がある」「健康成人の睡眠を質的にも量的にも向上する効果がある」と結論付けた。
新商品の内容量は50gで、食べやすい1口サイズのチョコレートの12粒入り。従来のGABAブランドの2商品はいずれもパウチ状のパッケージであるが、新商品は箱入りを採用。「従来の商品はオフィスなど外出先での摂取を考えて持ち歩きを意識したパッケージだったが、新商品は睡眠前に自宅で落ち着いて味わってほしい」というのが理由だ。
「まろやかミルク」と銘打ったフレーバーは、「寝る前のリラックス感を高めるためにミルク成分も多めにした」という。従来商品の「ミルク」味よりも濃厚で、食べたことの満足感がより強く感じられる印象だ。もともと苦みの強い成分であるGABAを約3倍の濃度としたことから、「苦みをマスキングするために、配合調整を工夫した。いかにおいしくするかにこだわった」とのことだ。
発表会にはゲストとして、フリーアナウンサー・タレントの宇垣美里さんも出席。「寝る前にチョコレートを食べるというのは今までは罪悪感があったが、寝る前に食べていいのはうれしい」と喜びを語るとともに、商品に太鼓判を押した。