相模鉄道とJR東日本は2日、相鉄・JR直通線用車両12000系がJR新宿駅へ乗り入れる様子を報道関係者らに公開した。両社は11月30日の相鉄・JR直通線開業に向け、乗務員の訓練運転や車両の性能など各種試験を行っているところだという。
相鉄・JR直通線は相鉄線西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近まで約2.7kmの連絡線を新設し、新駅として羽沢横浜国大駅を設置。この連絡線を利用して相鉄線とJR線が相互直通運転を行う。
11月30日の開業後、相模鉄道は相鉄・JR直通線用車両12000系、JR東日本は埼京線などで活躍するE233系を使用し、相鉄線の海老名駅からJR線の新宿駅まで運行(朝通勤時間帯の一部列車は大宮方面へ直通)する予定。終日運行本数は46往復とされ、朝ピーク時間帯は毎時4本、他の時間帯は毎時2~3本を運行する。
開業に向けた訓練運転や各種試験が行われる中、相鉄線の車両が直通先であるJR線の新宿駅へ初めて乗り入れることになり、9月2日に報道公開が行われた。相鉄・JR直通線用車両12000系の試運転列車は12時13分頃、新宿駅5番線ホームに入線。車体前面・側面には「そうにゃん」のイラストも表示されていた。
12000系の入線後、相模鉄道運輸車両部車両課課長の関根雅人氏は、「ようやく12000系が新宿駅に到着しました。新しい路線が多くのお客様に喜んでいただき、ご利用いただけるように努めたいと思います」「私自身、15年くらいこの事業に携ってきたので感無量です。もちろんこれで終わりではなく、この路線を今後どのようにするかは大きな課題。引き続きJR東日本と協力しながら進めたい」とコメント。JR東日本運輸車両部車両運用計画グループリーダーの淺井琢雄氏は、「当社も現在、営業開始後の車両を使っての走行試験、乗務員の訓練などを行っています。相模鉄道をはじめ多くの方々のご協力をいただきつつ、無事に開業できるよう準備したい」と述べた。
12000系は新宿駅で約20分間停車した後、12時34分に発車し、渋谷方面へ折り返して行った。相鉄・JR直通線の開業まで3カ月弱。開業後は横浜市西部および神奈川県央部から東京都心への速達性が向上するだけでなく、横浜駅やJR線など既設路線の混雑緩和と乗換え回数の減少による地域活性化などが期待されている。
相鉄・JR直通線の開業後、最速達列車は二俣川駅から新宿駅まで44分(IC運賃754円・きっぷ運賃760円)、大和駅から渋谷駅まで45分(IC運賃806円・きっぷ運賃810円)、海老名駅から武蔵小杉駅まで36分(IC運賃610円・きっぷ運賃620円)で結ぶとのこと。なお、相鉄・JR直通線の開業に合わせ、相鉄線も11月30日から新ダイヤとなる。横浜方面・都心方面の分岐駅となる西谷駅に特急・快速が停車するほか、いずみ野線で新種別(通勤特急・通勤急行)の導入が予定されている。