日本HPは9月2日、ゲーミングPC「OMEN」の新製品を発表し、合わせてOMENブランドの新戦略をアナウンス。ここでは新しいブランド戦略について簡単に触れつつ、ゲーミングノートPCのフラグシップモデル「OMEN X 2S 15」について見ていく。OMEN X 2S 15の発売日は9月中旬。HP Directplus価格は税別399,800円となっている。
OMENのブランドカラーはグラデーションに
従来、赤と黒で構成していたOMENのブランドカラーをグラデーションに変更していく。グラデーションは多様性を象徴し、「ゲーミングPC」のブランドから「ライフスタイルブランド」へと舵を切る。
背景としては、1500ドル以上のハイエンドゲーミング市場の急拡大と、多種多様な参画メーカーによるブランドの乱立がある。HPは、顧客視点に立つと似たようなブランドが増えてしまったと見ており、OMENの新しいブランドステートメントとして以下の三本柱を掲げた。
- ゲームを愛する人のサポート、成長の手助け
- 情熱の共有、サポート、文化的な誤解に一緒に立ち向かう
- 誰も恐れず排除せず、ゲームとともにある人生を楽しめるようにする
これにより、幅広いユーザー層が受け入れやすいブランドとして差別化を図っていく考えだ。サポートセンターの名称も「Cafe de OMEN」に変更。カフェのように気軽にサポートを利用してほしいとの思いで付けたものだという。
なお、9月12日から千葉の幕張メッセでスタートする「東京ゲームショウ2019」では、日本HPのブースは新しいブランド戦略に基づいたイメージで展開する。ゲームショウの目玉の1つになりそうなのが、以下に紹介する「OMEN X 2S 15」だ。
5.98インチのセカンドディスプレイを搭載
「OMEN X」は、HPのゲーミングポートフォリオの中で「テクノロジーでゲーミング市場にイノベーションを生み出す」という、先進性が使命となっているプロダクト。「今までにないモノ」「最高性能のモノ」に目がないユーザーに向けて作り込んでいるだけあって、OMEN X 2S 15は、過去のOMENシリーズとは一線を画した仕様になっている。
一番の特徴は、15.6インチのプライマリディスプレイ(メインディスプレイ)とキーボードの間に存在する、5.98インチのセカンドディスプレイだ。タッチスクリーンになっており、Windows 10のタッチパッドジェスチャに対応する。2つのディスプレイは共にフルHDの解像度(1,920×1,080ドット)で、最大1,677万色の表示が可能。プライマリディスプレイは非光沢でタッチ非対応、セカンドディスプレイはブライトビュー(光沢)だ。
このセカンドディスプレイによって、ゲームのメイン画面を隠すことなく、ゲームの設定やPCのパフォーマンスコントロールを表示して調整できる。プライマリディスプレイにはゲーム画面、セカンドディスプレイではLINEやSkypeでチャット、またはSportifyで音楽やNETFLIXで動画といった使い方が便利そうだ。
セカンドディスプレイは、ゲーム画面の一部を拡大表示するリアルタイムスクリーンミラーリングにも利用できる。プライマリディスプレイ上で任意の場所を指定することで、縦横比を崩さずに、セカンドディスプレイの横幅にあわせて拡大表示する。マップやスキル、インベントリ、ステータスなど、ゲーム画面の一部に表示しがちな情報を、より大きく見やすく表示したいときに有効だ。
キーボードの右側にはタッチパッドを配置し、その上に8つの特殊キーを2列で並べている。8つの特殊キーのうち、右下に配置しているキーが「ウィンドウ切替」で、プライマリディスプレイとセカンドディスプレイの表示をワンタッチで切り替えられる。
15インチノートPCとして世界初の液体金属グリスによる熱伝導素材を採用
セカンドディスプレイに隠れてやや目立たないが、OMEN X 2S 15は「世界初の液体金属グリスによる熱伝導素材を採用した15インチノートPC」でもある。液体金属グリスは、「クマメタル」の愛称で知られるThermal grizzly社製の「Conductonaut(コンダクトノート)」を使用している。一般的なグリスよりも熱伝導率が約10倍も高く、1クラス上のビデオカードを導入するくらいのパフォーマンスアップが見込めるという。
本体内のエアフロー「OMEN Tempest クーリングテクノロジー」も従来の機構から改良し、OMEN X 2S 15では2つの吸気口と3つの排気口を用意している。吸気口は本体底面にあり、本体底面の奥側にサーマルバンプが配置され、底面と接地面の間に空間を作って空気を取り入れる。
ラインナップは、エクストリームモデル(15-dg0009TX)とエクストリームプラスモデル(15-dg0010TX)で、ストレージ構成のみ異なる。エクストリームモデルは1TB NVMe SSD、エクストリームプラスモデルは512GB NVMe SSD+32GB NVMe Intel Optaneメモリー H10&ソリッドステート・ストレージとなる。
ストレージ以外の主な仕様、CPUがIntel Core i9-9880H(2.30GHz~4.80GHz)、メモリがPC4-25600 32GB(DDR4-3200)、チップセットがMobile Intel HM370、グラフィックスがNVIDIA GeForce RTX 2080 with Max-Q Designグラフィックス(8GB)、OSがWindows 10 Home 64bit。
インタフェース類は、USB Type-C 3.1 Gen2×1、USB 3.1 Gen1×3、HDMI 2.0×1、Gigabit Ethernet、IEEE802.11ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 5.0、約200万画素Webカメラ、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1など。
USB Type-C 3.1 Gen2×1は、Thunderbolt 3、USB Power Delivery 3.0、電源オフUSBチャージ対応だ。バッテリー駆動時間は最大4時間。本体サイズはW361×D262×H20(サーマルバンプを含んだ場合26.5)mm、重さは2.37kg。