近畿日本鉄道は31日、大阪上本町駅にて新型名阪特急「ひのとり」のプレミアムシートを展示するイベントを開催した。「シートキャラバン」と銘打ち、大阪上本町駅の他に大阪阿部野橋駅や「あべのハルカス」などでも展示予定となっている。

  • 大阪上本町駅の地上コンコースに新型名阪特急「ひのとり」のプレミアムシートが展示された(写真:マイナビニュース)

    大阪上本町駅の地上コンコースに新型名阪特急「ひのとり」のプレミアムシートが展示された

新型名阪特急「ひのとり」は大阪難波~近鉄名古屋間を中心に運行予定。車両形式は80000系で、6両編成を3編成導入し、2020年3月14日から運行開始する。2020年度中に全11編成・計72両(6両編成×8編成、8両編成×3編成)を導入し、大阪難波駅・近鉄名古屋駅毎時0分発をはじめ、停車駅の少ない名阪特急はすべて「ひのとり」で運行するという。大阪難波~近鉄奈良間の一部特急列車でも運用予定とされている。

6両編成の「ひのとり」では、先頭車の1・6号車がプレミアム車両、中間車の2~5号車がレギュラー車両となる。プレミアム車両は全席3列シートのゆとりある空間とし、床を通常より高くしたハイデッカー構造と前面のガラスで見晴らしの良さを確保。座席は前後間隔を130cmと広めに取り、バックシェルを設置して後方の乗客に気兼ねなくリクライニングできるようにした。全席にコンセントを設置している。

  • 会場は多くの来場者でにぎわった。「ひのとり」製造中の様子などを紹介する映像も

プレミアムシートの展示イベントは大阪上本町駅の地上コンコースで行われた。会場ではプレミアムシートが2席並び、実際に座ることもできる。本革を用いた電動リクライニングのシートで、伸縮式電動レッグレストと高さ・角度調整機能付きヘッドレストを備え、着席した際、左手の手もとにあるボタンの操作でよりリラックスした姿勢に変更することも可能。左腕の肘掛部分に折り畳み式のインアームテーブルが収納され、右腕の肘掛部分にコンセントと小型のテーブル、カップホルダーが設置されている。

8月30日に新型名阪特急の名称決定などが発表され、この日が展示イベントの初日だっただけに、前日のニュースを見て会場を訪れた人も多かった様子。イベント開始1時間前に来た人もいたという。午後も20人以上並ぶ時間帯があり、会場周辺はにぎわいを見せていた。こどもたちを連れた家族や鉄道ファンらがひと足早くプレミアムシートの座り心地を確かめ、来春デビューの「ひのとり」に期待している様子だった。

  • 右側(着席時)の肘掛にコンセントを設置。小型のテーブルやカップホルダーも用意された

  • 左側(着席時)の肘掛には折り畳み式のインアームテーブルが収納されている。手もとのボタンでリクライニングシートの角度などを調整できる

  • 読書灯の点灯・消灯も手もとのボタンで操作可能

大阪上本町駅でのプレミアムシートの展示は9月8日まで。土日はシート体験に加え、近鉄オリジナルノベルティが当たるクイズ大会も行われる。平日はシート体験のみ実施。9月9~17日は大阪阿部野橋駅の地上コンコースにプレミアムシートを展示し、9月13~16日にシート体験、9月14~16日にクイズ大会を行う。

その後は9月18~24日と10月2~8日に近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店2階ウエルカムガレリア、9月25日から10月1日まで「あべのハルカス」16階ロビー、10月9~17日に「あべのハルカス」17階オフィスロビーでプレミアムシートの展示を予定している。その他、名古屋地区などでも展示イベントを開催する予定だという。

  • 「ひのとり」のプレミアム車両は全席3列シート。前後間隔を広く取り、ハイデッカー構造と大型ガラスで見晴らしも確保したゆとりある空間に

  • レギュラー車両もプレミアム車両と同様、全席にバックシェルを設置。新型名阪特急「ひのとり」は2020年3月14日の運行開始を予定している

なお、新型名阪特急「ひのとり」では運賃・特急料金のほか、特別車両料金をプレミアム車両・レギュラー車両ともに設定した。プレミアム車両を利用して大阪難波駅から近鉄名古屋駅まで乗車した場合、特別車両料金は900円、運賃・特急料金を加えた合計金額は5,240円となる。大阪難波駅から津駅まで乗車した場合、プレミアム車両の特別車両料金は600円、運賃・特急料金を加えた合計金額は3,660円。いずれも消費税率引上げにともなう運賃(申請中)・料金改定分を反映した金額とのこと。