女優の天海祐希が、フジテレビ系スペシャルドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』(11月24日20:00~21:54)で、サザエさん役を演じることが31日、明らかになった。

  • (上段左から)西島秀俊、天海祐希、濱田岳 (下段左から)成田凌、松岡茉優、伊武雅刀、市毛良枝

10月にアニメ『サザエさん』が放送50周年を迎えるのを記念して、サザエさん一家の20年後を描く同作。フジでドラマ『サザエさん』(1981年4月1日)を放送してから、未来の磯野家の人々を描くのは今作が初の試みとなる。

天海演じるサザエさんの脇を固める“磯野家の人々”は、マスオ役が西島秀俊、カツオ役が濱田岳、ワカメ役が松岡茉優、タラオ役が成田凌、フネ役が市毛良枝、波平役が伊武雅刀という豪華キャストだ。

20年後の磯野家のメンバーは、カツオ(31)は野球選手、漫画家など、夢見ては挫折するのを繰り返し、今は商店街の洋食店でシェフをしているが、経営がうまくいかず幾度目かの挫折の危機に直面している。ワカメ(29)は、アパレル関係のデザイナーをやっているが、なかなか自分のデザインが採用されず悩んでいる。タラオ(23)は、就職活動中だが、やりたいことが見つからず面接で玉砕の日々を送っている。

波平(74)は定年退職を迎えて時間的余裕ができ、カツオたちへの将来を今まで以上に案ずる一方、距離感の取り方がわからず歯がゆい思いを抱えている。そんな夫・波平と磯野家の人々の姿をあたたかな愛情で見守るフネ(70代)。マスオ(48)は出世したものの、中間管理職として板挟みの会社員生活を過ごしている。

そんな、もやもやとした曇り空模様の磯野家に明るい太陽のような笑顔を取り戻そうとサザエ(44)は、町内の盆踊り大会に久々に家族全員で行こうと計画を立てるが…。

天海は「国民的な漫画のキャラクターなので、プレッシャーが半端ないです。でも私にと声をかけていただいたことに、少しでも応えられるといいなと思います。何よりもこんなチャンスはないので! サザエさんですよ!! すごくうれしいです。ご一緒させていただく、キャストの皆さん、スタッフの皆さんと“20年後のサザエさん”という世界を大切に積み上げて、皆さんにぜひ楽しんでいただけたらなと思います」とコメント。

役作りで、アニメ版の声優を務める加藤みどりに会ったそうで、「サザエさんで演じる上で核になるようなお話を聞かせていただきました。本当にすごく素敵なことを教えていただけたので、そこを中心に大事に演じたいなと思います」といい、特徴的な髪型については「微妙にサザエさんに見える髪型、なじみの深い髪型ですからあれをどうするか、でもイメージを変えずにちょっと変化があったほうがいいんじゃないかとそこから話し合いを繰り返しました。賛否両論あるかと思いますが、私が考えるサザエさんはこのようになりました。ぜひ楽しんでいただけたらと思います」とアピールした。

西島は「お人好しで気が弱く会社では損な役回りになってしまうこともあるマスオさん。その裏にある優しさを丁寧に演じたいと思います。原作では明るい“サザエ”とおっとりした“マスオ”の良い夫婦関係が描かれていますが、初共演の天海さんとも二人三脚でどこか温かい夫婦の形を築けたらと思います」、濱田は「国民的漫画のキャラクターをやらせていただくことに、とても重く責任を感じています。そして、天海さんをはじめとする、すごく豪華なキャストの方の中に“カツオ”として混ぜていただいたことは1人の役者としてとても光栄に思います。20年後で31歳になっているので、その中でも“カツオ”らしさ、視聴者の方はアニメのまま進んでいると思いますが、その20年後も、アニメと変わらず温かい目で見ていただきたいです」とメッセージ。

松岡は「撮影は順調で、現場で“ワカメさん!”と呼ばれることに慣れてきました。主演の天海さんはサザエさんのような人で、現場を明るく照らしてくださっています。パンツですか? 衣装合わせで提案してみたのですがやっぱりダメでした(笑)」、成田は「皆さんのイメージは3歳のタラちゃんのイメージですから、20年後のタラちゃんを演じることはとてつもない責任を感じています。日本中誰もが知っているタラちゃんを魅力的に演じられたらなぁと思いますし、皆さんの期待を裏切らないように(期待に)応えたいと思います」と意気込み。

市毛は「昭和の、というより、明治、大正から、こういう女性はいたなぁと思うような庶民の母像ですから、令和の時代にどうなるのか? 悩みながらも、現代のお母さん、おばあさんとして普遍的な価値にせまれるようなフネさんでありたいと思います」、伊武は「ありがたいことです。この国民的漫画である“サザエさん”に出演できることの幸せをかみしめております。同時に、私に“波平”ができるのか?という多少の不安も感じています。楽しみなのは、お茶の間のシーンを演じることで、役者冥利(みょうり)に尽きる喜びです」と心境を語った。

企画・プロデュースの渡辺恒也氏は「今回発表している7人の家族以外のキャストも、驚くほど豪華なキャストの皆さんに参加していただいております。その中には原作『サザエさん』のファンならきっと膝を打つような、あの登場人物も…。オールスターキャストでお送りするSPドラマ『磯野家の人々』、続報を楽しみにお待ちください!」と予告している。

脚本は、阿久津朋子氏。演出は、『ショムニ』『HERO』『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』などを手掛けた鈴木雅之氏が手がける。

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