日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’19』では、万引きを繰り返す病"窃盗症=クレプトマニア"の患者や病院を取材した『刑罰と治療~クレプトマニアという闇~』(テレビ金沢制作)を、あす9月1日(深夜1:05~)に放送する。
記者会見で「止めたいのに止められない」と吐露した元マラソン選手は、厳しい体重管理から摂食障害を患い、その後、万引きを繰り返した。診断された病名は“窃盗症=クレプトマニア”と呼ばれる、WHO(世界保健機関)で精神疾患として認定された病。群馬にある専門病院には、多くの患者たちが治療に訪れている。
関東地方に住む45歳の女性も、その患者の1人。長年、摂食障害を患い、吐くための食べ物を何度も万引きし、現在も刑事裁判を抱えている。実刑判決が下される可能性が高い彼女は、家族のサポートを受けながら判決日を待っていた。
一方、横浜の簡易宿泊所で暮らしながら、社会復帰を目指す男性は、クリニックで「就労支援」を受けていた。毎日、施設の利用者に向けた昼食を作っている。院長は、仕事をすることが、再犯を防ぐために有効な手段だという。
また、北陸には、野菜を盗んだ罪で実刑判決を受けた女性がいる。「治療を受けるため」に控訴した女性には、逆転の執行猶予付きの有罪判決が下された。近年、少しずつ増えている治療に重きを置いた「治療的司法」という考えに基づいた判決だ。
クレプトマニアの患者たちや病院などを取材して見えてきたのは、その実態。そして、「刑罰と治療」に向き合う患者たちの姿だった。彼らは、なぜ盗むのか。彼らが社会復帰を果たすために必要なものとは…。