シー・エフ・デー販売(CFD販売)は29日、BTOパソコン市場への参入を発表し、9月中に販売を開始する計画であることを発表した。台湾のGIGABYTE社および、GIGABYTEのゲーミング/eSportsブランドである「AORUS」ブランドのPCパーツで構成されたBTOパソコンを製品化することで、ゲーマーやストリーマー向けに特化して強みとしたい考えだ。

  • CFD販売が、BTOパソコンブランド「AORUS GAMING PC」を立ち上げ、販売に乗り出す。写真は実際に販売予定の製品を並べたもの。GIGABYTEの「AORUS」を組み込みことでゲーミング/eSportsに特化したBTOパソコンという立ち位置を明確にする

PC周辺機器を手掛けるメルコグループの一員でもあるCFD販売は、これまで主に自作パソコン市場向けPCパーツの販売代理店として知られていた。AORUSブランドをはじめ、ゲーミング用途のPCパーツ開発に積極的だったGIGABYTEとタッグを組むことで、CFD販売として日本市場でBTOパソコンの製造販売を開始する。

BTOパソコンの製品化にあたり、スペック面ではGIGABYTEの強みを活かす一方、製造やサポートはCFD販売ならでは取り組みを行う。同じくメルコグループに属するバッファローの製品を手掛ける国内工場で製造することで、日本品質を打ち出し、国内サポート体制も構築する。納期についても、注文状況によって安定しない可能性はあるものの、「最短では翌日出荷というところを目指していきたい」(CFD販売)と前向きな姿勢だ。

  • CFD販売ならではのリソースを活用し、ジャパンビルドの信頼性も打ち出したいという

全4グレードのベースモデルをラインナップ

今回のBTOパソコンは製品ブランドを「AORUS GAMING PC」と銘打ち、

・「S」グレード - Supremacy すべてを詰め込んだ最上位グレード
・「R」グレード - Reference ゲーミングの指標となる標準グレード
・「V」グレード - Value 高性能だが価格を抑えた高コスパグレード
・「A」グレード - カジュアルゲーミング向けの入門グレード

の4つのグレードのBTOパソコンを展開する。

  • 「S」「R」「V」「A」の4グレードで展開予定で、まずはSとRを市場投入する

このうち、参入当初に販売開始を予定するのはSグレードの「AORUS GPC-01S」と、Rグレードの「AORUS GPC-01R」の2グレードの製品で、それぞれの基本スペックは以下の通り。

AORUS GPC-01S
【CPU】 Ryzen 7 3700X
【NVIDIA】 GeForce RTX 2080 Ti
【メモリ】 DDR4-3200 8GB x2
【ストレージ】 SSD 1TB NVMe Gen4
【OS】 Windows 10 Home 64bit

AORUS GPC-01R
【CPU】 Ryzen 5 3600
【NVIDIA】 GeForce RTX 2060
【メモリ】 DDR4-2666 8GB x2 【ストレージ】 SSD 512GB NVMe Gen3、HDD 2TB 【OS】 Windows 10 Home 64bit

ともに、まずは注文時のBTOカスタマイズには対応せず、基本スペックのまま販売する。他のグレードの市場投入やBTOカスタマイズの開始時期は、販売計画の進捗にあわせて順次アナウンスがされる見通しだ。

  • 「AORUS GPC-01S」のポイント。第3世代RyzenとハイスペックGeForceはもちろん、AORUS最高峰のマザーボードや、Gen4 SSD、高速メモリなど細部まで隙のないゲーミング構成にこだわっている

  • 「AORUS GPC-01R」も標準グレードとはいえ、GPUがオーバークロックされているなど、ゲーミング性能にこだわった構成になっている

  • 「AORUS GAMING PC」で採用されるPCケース

  • CPUクーラーは高TDP対応の専用品を用意する

Rayzen 9 3900X無償アップグレード特典も

参入発表に際しCFD販売の代表取締役社長 三谷弘次氏は、PCパーツ分野で10年以上のパートナーシップがあったGIGABYTEと組めたことで、日本人好みのゲーミングPCをスムーズに製品化できたと、事業の立ち上げの手ごたえを語る。同社によれば、国内デスクトップPC市場は近年出荷実績が拡大するなど復調を見せており、中でもeSportsやゲーミングPCは今後のけん引役になりえるということで、ここに力を入れる。

  • CFD販売の代表取締役社長 三谷弘次氏

ところで、今回の新製品はCPUに第3世代Ryzenを採用するなど、AMDプラットフォームを中心にしている印象だが、これについて三谷氏は「市場人気が高く、そしてパフォーマンスを追求したから」と説明。近年のAMDの勢いは、特に自作パソコンの世界では強い潮流になっているが、これが強く反映された。

パートナーであるGIGABYTE本社の副社長 Tony Lion氏も来日し、今回のCFD販売の取り組みに、「GIGABYTEはAORUSを世界中で展開していが、その中でも今回はマイルストーンとなる出来事。ゲーマーやストリーマーは近年、パーツよりも完成品でパソコンを用意する傾向がある。CFD販売とAORUSとAMDでつくりあげたこのシステムは、きっと素晴らしいシステムだと確信している」と話すなど、エールを送る。

  • GIGABYTE Vise President, Enterprise Sales, Channnel Solution Business UnitのTony Lion氏

AORUS GPC-01SとAORUS GPC-01Rの2製品は9月12日から予約受付を開始し、9月中(9月19日を予定)に発売する見込み。販売価格は本日時点で調整中のため未定だが、前者が36万円~37万円程度で、後者が18万円程度になる見込みだ。

本日より開設したAORUS GAMING PCの特設ページ(URLリンクはこちら)を通して販売するほか、ユニットコム(パソコン工房)とProjectWhite(ツクモ)様の各店舗でも取り扱いを開始する。

また今回の発売を記念して、AORUS GPC-01SについてはCPUをRyzen 7 3700XからRayzen 9 3900Xへの無償アップグレードを提供する。こちらは数量限定で無くなり次第終了、店舗限定のキャンペーンとなるので注意されたい。

  • Rayzen 9 3900Xへの無償アップグレード!