西川はこのほど、日本人の睡眠環境について調査した「西川 睡眠白書2019」を明らかにした。同調査は年7月4日~12日、全国の18歳~79歳の男女1万人を対象にインターネットで実施したもの。

  • アテネ不眠尺度結果(年代別)

    アテネ不眠尺度結果(年代別)

まずはじめに、1万人を対象に世界共通の不眠判定方法「アテネ不眠尺度」を用いて睡眠の状況について尋ねた。「アテネ不眠尺度」とは、世界保健機構(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した世界共通の不眠判定方法のこと。

その結果、全体の50.1%が 「不眠症の疑いあり」となった。これは前年の49.3%を0.8ポイント上回っている。年代別に見てみると、20代・30代は平均よりも10ポイント以上多く、比較的若い世代の睡眠状態が特によくないことがわかった。

悩み事が原因で眠りにつくことがつらかったときがあるか尋ねたところ、56.6%が何らかの悩みによって眠りにつくことがつらかったと答えている。悩み事の種類について聞くと、最も多かったのは「将来に関する悩み」で、次いで「健康に関する悩み」、「金銭面での悩み」と続いた。

  • あなたは悩み事が原因で眠りにつくことが辛かった時はありますか。どのような悩みかお答えください

    あなたは悩み事が原因で眠りにつくことがつらかったときはありますか。どのような悩みかお答えください

「将来に関する悩み」を選んだ人に、具体的にどのような悩みであるか尋ねると、1位は「お金・貯金」、2位は「収入」、3位は「自身の老後」、4位は「健康」だった。

「睡眠」と聞いてイメージする言葉を尋ねたところ、1位は「安らぎ」、2位は「当てはまるものはない」、3位は「気持ちいい」となった。「時間の浪費」や「もったいない」といったネガティブな回答をした人はごく少数派だった。

  • 睡眠」と聞いてイメージする言葉

    「睡眠」と聞いてイメージする言葉

働いている人に、仕事の日に仮眠を取ることはあるか聞くと、31.8%が「ある」と答えた。仮眠をとる理由を尋ねると、「睡眠時間が足りないため」「疲れをとるため」という回答が多い。2018年調査では「(仮眠を取ることが)ある」という回答は21%であったため、生産性向上のための仮眠が普及しつつあることがわかった。

働く人の睡眠実態について、特に生活が不規則になりがちな「夜間勤務がある」人と、そうでない人の睡眠満足度を比べた。その結果、「夜勤あり」は「睡眠に非常に不満・まったく眠れない」と答えた割合が全体平均より10ポイント以上高くなっている。勤務形態の差が睡眠状態に影響することが明らかとなった。

  • あなたは自身の睡眠に満足していますか?

    あなたは自身の睡眠に満足していますか?

勤務中(日中)に眠気を感じることがあるかという質問でも、「(眠気が)激しい」と回答した人は、夜勤がある人で、全体平均より11.8%高かった。

未就学児を持つ母親に、自身の睡眠は十分にとれているか尋ねたところ、約60%が「全くとれていない」「あまりとれていない」と回答した。その理由としては、「家族の食事の準備」(46.0%)が最も多く、「子どもが夜中に起きるため」(42.0%)、「子どもの寝相が悪いため」(32.0%)と続いた。

  • 乳幼児(未就学児)を子育てするうえで、あなたご自身の睡眠は十分にとれていますか

    乳幼児(未就学児)を子育てするうえで、あなたご自身の睡眠は十分にとれていますか